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山田同人誌作品集です。(手を加えて修正を毎日してます)
JUGEMテーマ:読書


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飛鳥京香/SF小説工房(山田企画事務所)

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私の中の彼へ-青き騎士-

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源義経黄金伝説

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ロボザムライ

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SFフアンタジー「ガーディアンルポ」

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遙かなる絆-ランナー

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東京地下道1949

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染み入れ、我が涙、巌にーなみだ石の伝説

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アリス・イン・腐敗惑星ー寂寥王の遺産ー

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ウオーター・ナイツー聖なる水の僕(しもべ)

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「イシのヒト」


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ミュータントウオーズ超人類戦記

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「神よ、その腕もて」

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キング・オブ・ドリーム-創造者の夢ー

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「宇宙から還りし王」(山稜王改題)

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日本人の時代ージャップスデイズ」

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アイランド
author:山田企画事務所, category:フアンタジー, 22:37
-, -
絵本作家鈴木純子作品
絵本「カブーのちいさなあおいほし」 を原作者かなうちきみこ作画者すずきじゅんこが語る。
author:山田企画事務所, category:フアンタジー, 15:13
-, -
絵本「カブーのちいさなあおいほし」 を原作者
絵本「カブーのちいさなあおいほし」 を原作者かなうちきみこ作画者すずきじゅんこが語る。http://www.asahi-net.or.jp/~uz4s-mrym/page/osusume/osusumSP3.html
author:山田企画事務所, category:フアンタジー, 15:06
-, -
我が瞼に!SF短編

SF短編[我が瞼に!帰郷(ききょう)改題]

(1976年作品)

飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/

http://www.knowledge.ne.jp/lec1379.html

 飛行機の窓から見ると、迎えが来ているのが見えた。

父母と妹。元気そうに見える。

僕は、この町に帰ることを楽しみにしてきた。

この瞬間を、どれほど心待ち毘していたことだろう。

長い間、僕は孤独で、そして疲れ切っていた。

 僕は息をはずませて、皆の前に立っている。

妹は、まだほんの子供だったミリーは、もうりっぱな娘になっていた。

 「ねえ、にいさん・戦争はどうなっているの。敵はとっても強いってことだけれど。にいさんも火星にいたんでしょう」

 火星。血にまみれた戦場の星。そう確かに、僕は火星の上で闘ってきた。

多くの戦友が、敵のために死んでいった。

「ミリー、ミリー、そうあわてるんじゃないよ。せっかく町に帰ってこれたんだ。

家でゆっくり聞けばいいじゃないか。シムス、元気でなによりだ。五体満足か。この町でもかなりの人が

サイポーク手術を受けて帰って来ている。本当によかったなー。それで戦時休暇はどれくらいだね」

僕は、父と母を両肩でだき忿がら答えた。

 「3日だけさ」

 「たった3日」

 「そうだな。おまえは、宇宙軍団の兵士だものなあ」

 僕の兄、弟、息子を2人までで死なせ、自らも傷ついた父が、

それでも戦時勲章を胸にかかげて、誇らしげにいった。

 僕達は、空港を出て家への道をたどり始めた。

僕がどれほど、この戦時休暇を待ちわびていたか誰が知るだろうか。

僕の前には、常に敵しかいなかった。

敵をやっつけること。それしか考えられなかった。

宇宙船の残骸。氷りつきそうな遠い星の光。

姿も確認できない戦友のなきがら。それが僕の日常生活のすべてだ。

 

 僕の町はほとんど昔のままだった。

戦争前のままだった。

わずかに、敵襲への警報装置とパリヤー装置が、町の外観をそこねていた。

 途中、僕はこの戦争で亡くなった友達の数を数え始めていた。

もう、両手、両足ではたりない。

家にたどりついた僕は部屋にあがり、気がつくと、自分のベットの上で、

うつぶせになり、力をこめてベットをたたいていた。感情の激発だ。

 僕の部屋は、そのまま残されていた。

となり2つの空部屋は、戦死した兄さん、弟のもの。

本箱には宇宙科学の本とSFのペーパーバック。

 「シムスにいさんヽはやくーー、食事の準備ができたわよ」

下の階から、妹の呼ぶ声が聞えた。

僕のための、妹と母の愛のこもった料理が下で待っている。

携帯糧食ではないのだ。

食堂に降りていくと、皆うれしそうな顔で僕を見ている。

 破局はその平和な一瞬に、訪れた。

 唐突に光が。

それから限がくらみ、体の感覚がなくなる。

敵の攻撃だ、と思う間もなく、意識が遠のく。

***

 目の前は、暗い空間だった。

僕は、裸で灰色のパネルの上に、横たわっている。

敵の熱線で、焼きこげたはずの服は、、あとかたもなく消えている。

そうだ。

ここは宇宙船の中だ。

僕は現実に目ざめる。

 右の璧に空洞ができ、ロボットのM113が歩いてくる。

 「いかがでした。過去への旅は。完全に複製されていましたか。

今回は心理治療、あなたの過去再生のテーマは、あなたの故郷でしたね」

M113が言った。

「完璧だよ、悲しいほどにね。M113」

「悲しいほど完璧?意味不明です」

「いいよ、ひとり事だ。気にするな」

あまりに完璧すぎる。

僕のメランコリーは、増すばかりだ。

心理療法にはなっていない。

「過去再生への旅」はM113が考えたことだ。

僕は、たまに不安状況に追いこまれる。

その解消のため、M113は、「過去再生への旅」部屋を、船の一角に設けてくれた。

その部屋で、僕の記憶が全部読みとられ、過去の歴史が再現されるのだ。

再現された世界で、僕はどんなものにでも手をふれることができ

れば、誰とでも話しあうことができるのだ。

 しかし細部は異なっていた。

過去への旅のあと、僕の敵へのにくしみは増すばかりなのだ。

M113は、僕が敵への戦意を失なわないようにプログラミングしているのだ。

『司令官以外立入禁止』の表示のあるドアを、後にした僕にM113は言った。

「シムス司令、そろそろ地球を通過します。いや訂正します。

もと地球のあった座標を通ります」

船の巨大スクリーンには、敵の攻撃で、星くずになった地球の位置を示していた。

 たったーせき残った地球の戦闘艦。

そして僕は、最後の人類。

 この広い宇宙の中で、人間なんか一人もいやしない。

だから、僕はいいようの冷い不安にかそわれるのだ。

 絶え間ない敵との戦闘を、僕はー人でたえてきた。

たった一人で、この船とロボット戦闘員を指揮してきた。

 敵を滅ぼすまで、僕は生きつづけるつもりだ。

一生、この宇宙船の中で暮らすことになるだろう。

 僕は、何度過去への旅をくりかえすだろうか。

そして帰郷は、、。

(完)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/
http://www.knowledge.ne.jp/lec1379.html



author:山田企画事務所, category:フアンタジー, 01:30
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■SF短編 帰郷
■SF短編 帰郷(1976年作品)
飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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 飛行機の窓から見ると、迎えが来ているのが見えた。
父母と妹。元気そうに見える。
僕は、この町に帰ることを楽しみにしてきた。
この瞬間を、どれほど心待ち毘していたことだろう。
長い間、僕は孤独で、そして疲れ切っていた。

 僕は息をはずませて、皆の前に立っている。
妹は、まだほんの子供だったミリーは、もうりっぱな娘になっていた。
 「ねえ、にいさん・戦争はどうなっているの。敵はとっても強いってことだけれど。Kいさんも火星Kいたんでしょう」
 火星。血にまみれた戦場の星。そう確かに、僕は火星の上で闘ってきた。
多くの友達が敵のために死んでいった。

「ミリー、ミリー、そうあわてるんじゃないよ。せっかく町に帰ってこれたんだ。
家でゆっくり聞けばいいじゃないか。シムス、元気でなによりだ。五体満足か。この町でもかなりの人が
サイポーク手術を受けて帰って来ている。本当によかったなー。それで戦時休暇はどれくらいだね」

僕は、父と母を両肩でだき忿がら答えた。
 「3日だけさ」
 「たった3日」
 「そうだな。おまえは、宇宙軍団の兵士だものなあ」
 僕の兄、弟、息子を2人までで死なせ、自らも傷ついた父が、
それでも戦時勲章を胸にかかげて、誇らしげにいった。

 僕達は、空港を出て家への道をたどり始めた。
僕がどれほど、この戦時休暇を待ちわびていたか誰が知るだろうか。
僕の前には、常に敵しかいなかった。
敵をやっつけること。それしか考えられなかった。
宇宙船の残骸。氷りつきそう刄遠い星の光。
友達のなきがら。それが僕の日常生活のすべてだ。

 
 僕の町はほとんど昔のままだった。
戦争前のままだった。
わずかに、敵襲への警報装置とパリヤー装置が、町の外観をそこねていた。
 途中、僕はこの戦争で亡くなった友達の数を数え始めていた。
もう、両手、両足ではたりない。

家にたどりついた僕は部屋にあがり、気がつくと、自分のベットの上で、
うつぶせになり、力をこめてベットをたたいていた。感情の激発だ。
 僕の部屋は、そのまま残されていた。
となり2つの空部屋は、戦死した兄さん、弟のもの。
本箱には宇宙科学の本とSFのペーパーバック。

 「シムスにいさんヽはやくーー、食事の準備ができたわよ」

下の階から、妹の呼ぶ声が聞えた。
僕のための、妹と母の愛のこもった料理が下で待っている。
携帯糧食ではないのだ。
食堂に降りていくと、皆うれしそうな顔で僕を見ている。
 破局はその平和な一瞬に、訪れた。

 唐突に光が。
それから限がくらみ、体が無くなる。
敵の攻撃だ、と思う間もなく意識が遠のいた。


***
 目の前は、暗い空間だけだった。
僕は裸で灰色のパネルの上に横たわっていた。

敵の熱線で、焼きこげたはずの服はあとかたもなく消えていた。
そうだ。
ここは宇宙船の中だ。
僕は現実に目ざめた。

 右の璧に空洞ができ、ロボットのM113が歩いてきた。

 「いかがでした。過去への旅は。完全に複製されていましたか。
今回は心理治療、あなたの過去再生は、あなたの故郷でしたね」
M113が言った。
 「完璧だよ、悲しいほどにね。M113」
「悲しいほど完璧?意味不明です」
「いいよ、ひとり事だ。気にするな」

あまりに完璧すぎる。
僕のメランコリーは増すばかりだ。
心理療法にはなっていない。
「過去再生への旅」はM113が考えたことだ。
僕は、たまに不安状況に追いこまれる。その解消のため、M113は、
「過去再生への旅」部屋を、船の一角に設けてくれた。
その部屋で、僕の記憶が全部読みとられ、過去の歴史が再現されるのだ。
再現された世界で、僕はどんなものにでも手をふれることができ
れば、誰とでも話しあうことができるのだ。

 しかし細部は異なっていた。
過去への旅のあと、僕の敵へのにくしみは増すばかりなのだ。
M113は、僕が敵への戦意を失なわないようにプログラミングしているのだ。
 『司令官以外立入禁止』
の表示のあるドアを、後にした僕にM113は言った。
 「シムス司令、そろそろ地球を通過します。いや訂正します。
もと地球のあった座標を通ります」

船の巨大スクリーンには、敵の攻撃で、星くずになった地球の位置を示していた。
 たったーせき残った地球の戦闘艦。
そして僕は、最後の人類。
 この広い宇宙の中で人間なんか一人もいやしない。
だから、僕はいいようの冷い不安にかそわれるのだ。
 絶え間ない敵との戦闘をー人でたえてきた。
たった一入で、この船とロボット戦闘員を指揮してきた。

 敵を滅ぼすまで僕は生きつづけるつもりだ。
一生、この宇宙船の中で暮らすことになるだろう。
 僕は、何度過去への旅をくりかえすだろうか。そして帰郷は。

(完)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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author:山田企画事務所, category:フアンタジー, 17:10
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ガーディアンルポ01「最終列車」■第3回
■ガーディアンルポ01「最終列車」■第3回
(1979年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yama-kikaku.com/
http://ameblo.jp/yamadabook/

■第3回■
「何だって」
「見ろ」
サイトウはイヌイの指さす方を見た。
円盤だった。
まっ青空にアダムスキー型の円盤が一機出現していたのだ。
列車の右側を並んで飛行していたが、やがて消え去った。
「いよいよ、真打ち登場か」
サイトウはふてくされて、どうにでもたれという感じだった。
円盤は再びディーゼル機関車の前方に出現した。
ディーゼル機関車に乗っていた隊員はハンドミサイルを発射した。
円盤はハンドリミサイルを見てとり、列車から、かなりの距離を置いた。その一瞬、隊
員は自らの体を円盤に向けて発進させた。
「隊長、基地へ連絡させて下さい」
「いかん。今基地のポジションを知られるのはまずい」
 タルスは部下の要求を受けいれなかった。
 発射時間まであまり時間はない。そしていまだ基地の位置は知られたくはなかった。自ら
の力で道を切り開くしか痙い。
 また轟音が響いてきた。今度は前方からだった。
 円盤の残骸は粉々になりながら、列車左手の平原に落下してきた。地響きがして、大き
な火柱があがった。
「もういやだ、いやだ。元の世界へ返して来れ」
 誰かが立ちあがり、側に立っているスペシャルコマンドにだきついた。
 スペシャルコマンドは、今、円盤に体当たりした仲間の冥福を祈っていた。彼らは人
間ミサイルでもあったのだ。
Jと呼ばれた女の子の意識はまだもどってきてはいない。
Jは彼らスペシャルコマンドにとっては、人類の全生命と同義語だった。Jの存在は地球の存在と
同一だった。
Jを守るためにスペシャルコマンドの一員が先程、侵略者ROWの円盤に体当たりし、
死んだのだった。
「まだJの意識はもどらないのか」
「はい」
看護をしている隊員がいった。
「一体、奴らはJにどんな処置を施したのだ」
Jは他惑星連合と地球の連合をにぎる重要人物なのだ。Jがいなければ、他惑星との連携
もなくなると考えなければならない。
22世紀、地球連邦はその勢力をあまねく銀河に拡めつつあった。
人類が最初にROWと遭遇したのはレム皇威であった。
ROWは強大な星間帝国で、銀河にかける地球連邦の勢力を漸次駆逐していった。
ついに二ー九六年、地球をめぐる大決戦となった。
地球は他惑星の援助を期待していた。そして、
 外惑星威で戦闘中の歴戦の勇士「ダーム将軍」の帰還を待ち望んでいた。
しかし、ROWの勢力は目前に追っていた。
地球連邦総督府の絶対防衛圏のバリヤーを破って突入してきたROWの円盤機軍団に連邦空
間戦闘機団はひとたまりもなかった。
 思いあまった連邦総督府は、地球の精神的主導者Jを説出させることKした。秘密裡に
他惑星に一時遊離させ、亡命政府を作り、残存勢力でゲリラ戦を開始しよウとしたのだ。
 百歳を越えるJの肉体は宇宙旅行に持ちこたえようがなく、九歳の女の子の体にJの人
格が移植された。
 安全を計るため、他時空間を設定し、多数の脱出用ロケット発射基地が短期間に準備さ
れた。
 しかし、その甲斐もなくJがROWの突撃隊により誘拐されてしまったのだ。
 Jを乗せたROWの円盤機は連邦軍の追撃を受け、一九七九年、日本のM市へ不時着し
た。
 ROWのパイ・ットはM市からO市へJを移動させようとした。O市にはROWの出先
機関がある。そこでゆっくりと、Jから地球連邦の残存勢力について探り出そうとしてい
たのだ。
 一方、ROWの円盤の失踪時点をキャッチした連邦軍はクルスを隊長とし、六十名の訓
練されたスペシャルコマンドを1979年へ送り込んだ。
「ウ″ー、サイトウさん、御覧なさい」
「え、どうせ、また余りよくない話でしょう」
「恐らく、悪い話でしょう々」
 馬のいななき、駆ける音かすぐそこまで聞こえてくる。車窓の横を騎馬武者が駆け抜け
る。
 血のりのついた胴太刀をかぎしている。
 上空に再び、円盤機が出現した。天童遠の軍勢に加勢するつもりらしい。
 スペシャルコマンドの一人がドアを開け自ら、ミサイルとなって円盤機に向かってい
く。先刻のように円盤機の不意をつけない。すぐに人間ミサイルをすり抜け、光線を放っ
た。彼は爆発した。
 さらに円盤機は列車の上空に飛来し、一条の光線を放ち、直ちに離脱した。
 光線は列車の洗面所にしかけられたバリヤー発生機を破壊してしまった。
 雄叫びをあげて、騎馬団がつっこんできた。
 バリヤーが消えた今、矢は車体の木製部や車両の連結幌の部分に突きささる。
 窓ガラスが、突き破られ、抜き身の刀身がサイトウの目の前に突き出された。
「うわっ」サイトウは叫び、飛びのいた。サイトウは残念ながら勇敢な男ではない。
 が、イヌイはスペシャルコマンドから手渡された鉄棒で、その刀を撃した。電気が
その棒から放電された。刀を持っていた男は感電死した。
 スペシャルコマンドと乗客は善戦していた。
 レイ・ガンを恐れもせず、突撃してくる騎馬はスペシャル=コマンドにとって驚異であ
った。
 馬から列車にとびつき、一人の武士が列車の天蓋へあがっていく。ディーゼル機関車の
方へ向かっていく。
 機関車の運転席がバリヤーがなくなった今、無防備のため一番危険な部署となった。y
スペシャルコマンドの隊員が防備にあたっているが軍団から統々とくりだされる矢には手
がつけられない状態であった。
サイトウは列車の座席で縮まっていたが、イヌイは先刻、うばいとった剣を右手にして、
襲いかかってくる騎馬団と戦っていた。サイトウは激戦中、イヌイに声をかける。
「慣れたものだね」
イヌイは、ドフから入ってくる者、窓から入ってくる奴を投げとばし、突き倒し、切り
つけ、切りかかり、大活躍たった。
「イヌイ、あんた、そんな剣術どこで習った」サイトウは疑問に思いタヅネル。
「江戸の千葉道場」
「何‥、あんたは一体、何者なんだ」


(続く)
■ガーディアンルポ1「最終列車」■第3回
(1979年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yama-kikaku.com/
http://ameblo.jp/yamadabook/


author:山田企画事務所, category:フアンタジー, 13:37
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ガーディアンルポ01「最終列車」■第2回
■ガーディアンルポ01「最終列車」■第2回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yama-kikaku.com/
http://ameblo.jp/yamadabook/

■第2回 ■
トレインジャックを果したスペシャルコマンド部隊の隊長は、クルスという名前だ。クルスは、各コマンドに命令を下していた。彼は三十才台の頑強な男だ。
「車掌は車掌室に閉じ込めました」
「よし」
「運転手は我々の命令を忠実に実行しています」
「よし、基地までこの速さで二時間の距離だ々。時間はあまりない」
「タルス隊長、連絡を基地にとってよろしいでしょうか」
「いかん。まだ速絡はとる痙。ROWの円盤機に発見されたらおしまいだ」
「了解」
「捜索の方は進んでいるか」
「はい、現在、第て第二車両の調査を終えた段階であります。まだJとROWは発見されていません」
「よし、ひきつづき行なえ」
 サイトウの通路をはさんだ向い側の男が落ちつかない様子だ。いらいらしている。四十才くらいだろうか。男は隣りに小さな女の子を坐らせていた。かわいい。子供は眠りについている。
 サイトウ達が乗っている第四車両ヘスペシャルコマンドがやってきた。
 先刻の落ちつきのたい男が立ち上がり、後部へ走ろうとした。幼ない女の子の手をにぎりしめている。スペシャルコマンドが男をつかまえようとした。
 男は女の子をスペシャルコマンドヘ投げつけ、通路を駆けだす。
乗客はただあっけにとられて見ている。
 コマンドがレイ=ガンを構えた。背中に命中した。
が男はひるまず、後部の扉にたどりついた。扉の所にいたスペシャルコマンドが、彼を押しとどめようとした。
 放電音がした。
 彼がはがいじめにしたスペシャルコマンドが黒こげになり、車両の連結板の上に倒れた。男が電気ショヅクをコyンドに与えたのだ。
 男は列車の窓を開け、片手を上空へとさしあげた。スペシャルコマンドが、列車全体にはりめぐらしていた「バリヤー」が一時的にやぶられた。
 男の手の先から光線が発せられた。
同時に車両からコマンドの数丁のレイガンが発射される。
男の体の三分の一が真黒になり、やがて消え去った。
 残りの体の部分はくずれてきて、ぐにゃとした偽足風の手足に変ぼうしつつある。
 叫び声をあげ、気を失う女性も出てくる。
 男が投げ出した女の子を、スペシヤル=コマンドが介抱している。
「J、J、しっかりして下さい」
「J、あなたがいなければ、我々はどうなるというんです」
 サイトウはイヌイにささやいた。
「どういうことだろう。これは」
 イヌイはもの知り顔で言った。
「こりゃ、あんた。我々はスペオペの世界にはいりこんだようですぞ」
「スペオペですって、なら私はキャプテンフユーチャー―がいい」
「冗談をいっている場合ではないのですぞ、サイトウさん」
 二人の目の前を死体が運ぱれていく。肉片の端がペタ″とサイトウの顔にふれた。
「うわっ」
 サイトウは、その死体のに訟いと、触感でとびあがり、えづき始めた。
前の席の80歳くらいのばあさんはいやな顔をして、文句を言った。
「今の若い衆はいくじが々いのか。死体くらいでどうした。大東亜戦争の時の大爆撃に比べたら何の事はありやせん」
 サイトウはまだえずいている。スペシヤル=コマンド達は乗客の調査を再開する。ガイガーカウンターのような機械を一人一人に直接押しあてている。
 時折、かん高い反応音があがる。その人をスペシヤル=コマンドは最後尾の車両へと連行していく。
 サイトウの番たった。おどおどしている。
 恐怖の瞬間がすぎる。大丈夫だった。しかしイヌイは抗っていた。
「伺、何をするんだ、君達は。人権無視もはなはだしいぞ。その機械は何だ」
「敵と味方を区別するためさ。釦前も見たろう、さっきの男の姿を」
「さっきの男は、一体何者だ」
「ROW星人さ」
「ROW星人だって」
 その時、機械が音をあげた。サイトウの隣にすわっていた大学生の体が反応したのだ。
「こいつらのことさ」
 急スペシヤル=コマンドが大学生にレイ=ガンをぶちこんだ。
 激しいショックで大学生の体が一瞬の内に変化していた。きっきの男と同じような体に々った。
 サイトウは腰を抜かさんぱかりだった。
 イヌイも歯をがちがち々らし始めた。
 ばあさんだけは落ちついている。口の中で念仏のようにつぶやいている。
「大東亜戦争、大東亜戦争……」
 サイトウはなりふりかまわず、便所へ走った。口をゆすいだ折りに、いつももっている禁煙ガムの包みを落としてしまった。何とはなしに目を洗面所の隅にうつすと、変な機械が置かれていた。
 隊長クルスは、隊員から、Jが無事保護されたことを聞き、喜んでいた。
 しかし彼は男が死に際に列車の外へ光線を放ったことを聞き、愕然とした。
 (しまった。仲間に連絡されたぞ。この不安定な時空間にかける敵の勢力はほとんどない。しかし加勢を呼んだとすれば、事態は急を要する)
「鍛後尾の車両に、ROWの手先を集めました」
 部下の隊員が報告した。
「よし、最後尾の車両を切り離し、消滅させろ」
 後部の方から爆発音が聞こえ、振動が響いてきた。
「伺だ、伺だ、今度は何だ」
 いささか、やけくそ気味にサイトウは言った。
「今度は爆弾らしいぞ。後の車両が爆発したようだぞ」イヌイが言った。
 それを聞いて、ぱあさんは再び念仏を唱える。
「大東亜戦争、大東亜戦争……」
「ちっ今度はスペオペから戦争ものか」
「いや、どうやら、また、スペオペにもどったみたいだぞ」
車窓から外を痙がめていたイヌイが大声で叫んだ。

(続く)
■ガーディアンルポ1「最終列車」■第2回

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author:山田企画事務所, category:フアンタジー, 15:59
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■ガーディアンルポ01「最終列車」■第1回
■ガーディアンルポ01「最終列車」■第1回

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■第1回 ■
サイトウはいつものローカル線に乗り込んだ。まだはっきりとは目がさめていない。い
つものことだ。頭がはっきりするまで一時間くらいかかるだろう。
サイトウの住んでいるX市からO市までは電車で約一時間半くらいの道のりだ。残念な
がらX市まで私鉄は通じていない。JRのローカル線F線に乗る他はない。
まさに、毎日山を通りトンネルを抜け、谷を渡りディゼール車はようやくO市にたどり
逆にありかたいこともある。ゆっくりと腰をかける事ができる。私鉄のラ″シュ時のよ
うな事は全然ない。その代り、列車の本数はとても少ないのだ。そのため、毎日乗り合わ
せる人達はかのずから決まってしまう。
その日も、S商事に勤めているイヌイと話をしながら列車へ乗る。イヌイのとなりにす
わった老婆もよく見る顔だ。サイトウは軽く会釈をする。
いつもなら、会社の事やら、SFの事やらとりとめのない話をし、時間をつぶすのだが、
今日は違った。限石事件がもっばら話題になっている。
「変な事を聞いたぞ」
イヌイが小声で言った。
「え、伺だね」
「ニ人の人間が限石から出てきたという話だ」
 「まさか。ひ、ひょっとして円盤では」
 サイトウはおどけて言った。
 昼の日中に、X市に隣接したM市山中に限石が落下したのだ。
 初夏の山中をディーゼル車は進んでいく。T駅に近づいたようだ。
 「サイトウ、見てみろ」
 イヌイがひじでつついた。窓から外をながめている。サイトウも同じように身をのりだ
す。ブラットホームに人が鈴なりになっているのだ。
 いつものT駅なら、この時刻ではせいぜい十名がいいところなのだが。
 それなのに今日は何んて事だ。百人近い人間がひしめいているのだ。
「何だろう」
「かそらくどこかの団体旅行だろうさ」
 しかし団体旅行にしては、彼らは手荷物を持ってはいない。小さな棒を手にしているだ
けだ。
 彼ら、そう文字通り彼らは何か一定の共通点があった。それにぎこちないところが感じ
られるのだ。現代に適応していない感じだ。
 彼らはー糸みだれぬ行動をしている。
 列車が止まるやいなや、その集団は分裂し、車輛へ乗り込んでくる。
 いつも乗っている人達はその数十人の集団に圧倒され、隅の方で小さくなっている。
 中へはいった彼らは前後左右の出入口の扉に一名ずつ立った。それから残りの人間は列
車内へと散らばる。彼らはすわろうともしない。
 車掌が通路を歩いてきた。不思議な行動の彼らに気がついたようだ。開いている席につ
くように頼んでいる。しかし彼らは押し黙っている。車掌も困り果てたようだ。
 この列車は二人ずつ向い合わせにすわる席だ。サイトウのとなりでは大学生が眠りこけ
ている。前の席のイヌイのとなりにはぱあさんがすわっている。
 イヌイはしきりに男達を観察している。
「おい、あまりそんなに見るなよ」
 車掌かいまだにすわるように男達に懇願している。意地になっているようだ。
 一転して、男達は開いている席にすわりだした。車掌はホツとした。
 イヌイはその瞬間、首肯したようだ。
 同一の行動だった。一斉に男達はすわった。しかし扉の前の男はその唾ま立って、ドア
をふさいでいる。
 駅長の笛が吹かれ、列車が動き始めた。
 線路の下を流れている川の幅が段々広くなっていく。川の中に突き出している岩にくだ
ける水しぶきが涼しさを感じさせる。
 ぞくぞくと続くトンネルを列車は通りすぎる。この山中のトンネルを総てすぎると唐突
に、開けたO平野へと出るのだ。
 トンネルに入り際、サイトウは何かしら不安にかられた。
 一つ、二つ、トンネルをすぎていく。
 三つ目のトンネルがサイトウにはやけに長く感じられた。長すぎる。いつもなら、こん
なに長く時間はかかりっこない。
 人々が騒ぎ始める。
「どうなっているんだ。事故か」
 しかし、列車はトyネルの中で停車しているわけではない。確かに前方へと動いてはい
るのだ。こんなに長いトンネルはこのF線にはないはずだった。
 車内アナウンスが聞こえてきた。
「少々、訟待ち下さい。ただいま原因を調べてかります」
 あわてて、車掌が前の方へ走っていった。
 携帯ラジオをイヤホーンで聞いていた男がつぶやいた。
「かかしい、急にラジオに雑音が・・・・:」
 車内灯が急に消え、サイトウはめまいを感じ、気を失なってしまった。
   サイトウか気かつくと、列車は見知らぬ平原を疾駆していた。
   「大丈夫か」イヌイがサイトウに話しかけた。
   「どうなっているんだ」
   「わからん、俺は少しだけ早く目をさましただけさ」
   本来なら、もうO市の町並が見えるはずなのだが。窓の外に広がっているのは赤茶けた
  平原なのだ。
   「これは一体全体」
   サイトウは二の句が告げなかった。あまりに異常な出来事なのだ。これは夢ではないか。
  サイトウは自らのほかをつねってみた。痛い。これは夢ではない。現実なのだ。
   陽が高くあがっている。空気が少し違うようだ。サイトウは窓から首を出して、今まで
  通りすぎてきたであろう線路を見ようと思った。
   窓が開かない。
   ざわめきがかこっていた。’しかし先刻T駅で乗り込んだ連中は少しも騒いでいない。
   車内アナウンスが響いてきた。
  『乗客諸君、我々はスペシャルコマンド部隊だ。我々はこの列車を支配下においた。我
  々の命令K従わない者は射殺する。くりかえす。射殺する。これ以後、我々の指示K従っ
てほしい。以上だ」
 騒ぎの中で、T駅からの男達が立ち上った。彼らはふところから銃の部品をとり出し、
組み上げた。
「静かにしろ」
 彼らは冷たい声で言った。各車両でも同じ事がかこっていた。
「ここはどこたんだ」
「だまれ」
 山並みが遠くみえる。ところどころに小さな岡と、潅木が散在する。
 T駅の次の駅Sでは、連絡電話をかけていた。
「列車がまだつきません」
「しかし列車は定刻に発車しtしたが」
「事故の報告は受けていない」
 F線と川をはさんで国道が走っている。
 駅員がS駅からT駅まで線路を観ながら車で駆けてみた。しかし列車の姿はどこにも発
見できなかった。ふと、彼は空を見上げた。空は円盤で満ち満ちていた。
(続く)
■ガーディアンルポ1「最終列車」■第1回

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ロボサムライ駆ける■■第五章 機械城(3)(4)
■ロボサムライ駆ける■■第五章 機械城(3)(4)
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■第五章 機械城(3)(4)
  (3)
 叫んだ主水はまわりの地下洞をみわたす。地平は見えず、あたりは霞が漂っている。ようく、見渡してみた。急に光が射したようであった。
 主水の周囲の壁には、石仏が数限りなく並んでいた。いやその石仏は、霞たなびく地平のはてまで続いているようであった。その数は数万、いや数百万もあるように思われた。「ここは…一体」
 主水は思わず独りごちた。
『化野(あだしの)じゃよ。よくこられたのう、主水よ』レイモンの声が響いていた。
 が、レイモンの姿は見えない。
「レイモン様、いずこにおわします」
『何をキョロキョロしておる、主水』レイモンの声が再び響く。
 主水は温度探査モードに、眼を切り替える。が、温感を感じるものは何もないのだ。
 無機体のみが、主水のまわり数キロを取り囲んでいる。レイモンの声だけが主水に届いているのだ。
『主水、わしがお前をたすけたのがわかったか』
「レイモンさまが、私を…」
『なにじゃ、わかっておらなんだか。あれほどたやすく大仏を倒せたと思うか』ありありと失望の色が声に現れていた。とすれば、先刻の空母での声も、レイモンに違いないと主水は思った。
「どのようにして、おたすけくださったのですか」
『この化野の力よ、化野の霊気により、大仏を生身にしたのじゃ』
「レイモン様」
 レイモンをともかく助けねばならないと考える主水である。
『主水、わしを探す前に、空母へ戻れ』
 レイモンは冷たく言い放つ。
「そう申されましても」
『命令じゃ、空母の方が急ぐのじゃ』
 大仏ロボットを倒した主水は、ジャンプしてその地下洞穴からはい出る。
 空母ライオンの方を、望遠ズームモードで見てみる。
 空母の艦橋から火の手が上がっていた。
 その時、走り寄ってくる影が二つあることに気付く。身構えるが
「主水のおじさん」
 知恵だった。
「先刻はどうも済まぬ。が、知恵、あの剣ムラマサはどうやって取り戻したのじゃ」
「それは、私から答えましょう」
 見知らぬ一人のロボットが続いて知恵のそばにきていた。白髪頭のにこやかな穏やかな顔たちをしている。
「こちらの御仁は…」
 主水は見知らぬロボットを見る。
「自己紹介いたします。私は西日本の奴隷ロボット解放の運動の指導者、山本一貫です。以後、お見知りおきを」
 深々と山本は頭を下げた。
「山本殿がこの刀を」
「はい、この知恵に命じ、やつらの武器倉庫から手に入れたものです」
「かたじけない、お礼を申し上げる。それで知恵は解放運動の……」
「そうでござる。それで早乙女様、我々お願いの儀がござる」
「はい、いかような」
「既にご覧のとおり西日本においては、我々ロボットは奴隷制の下、人間のくびきの下におかれております。我々は東日本のような自由な世界に生きとうございます。それゆえ、ロボット解放運動を進めております。このことわかっていただいて、我々にご協力を賜りたい」
「協力とは、一体どのような。小生とて、現在、剣闘士の身分。自由でありません」
「相談でござる。恐らく早乙女殿のお手前をみて、西日本都市連合はある提案をするでありましょう。それをお受けください」
「提案ですと…、そうとはいえ」
 そのとき、空母上でひとしきり大きな音が響いた。
「早乙女殿、空母上にお助け下されい。我々の仲間、力士ロボットがロセンデール側の聖騎士団相手に闘っておりますれば」
 一貫が頼んだ。
「聖騎士団を相手に…」
 その時、主水の頭の中にある考えがひらめいていた。
「一貫どの、早速参りましょう」

   (4)
 主水は愛剣ムラマサを片手に空母へとひた走る。反乱ロボットの中である一群を見ている。それは力士ロボットである。空母甲板のうえ、主水は大音声でいいきかす。
「力士ロボットの皆様、申し上げる。拙者、早乙女主水でござる。左舷側に集まっていたたけぬか」
 先刻の剣闘士試合で大樹山を屠った主水だから、力士ロボットはいうことを聴く。
「早乙女様、集まりましたぞ。後はいかように」
「しこを踏んで下されい」
「しこですと、聞き間違いでは…」
 力士たちは戸惑いを隠せない。
「さよう、しこです」
 念を押した。
「ご命令とあらば」
 首をかしげながら、力士ロボットが一斉に、しこを踏んだ。
 パランスが崩れている空母ライオンは、甲板上のロボット力士のしこの振動で、左舷側に重さが集中してくる。
 続いて、舷側まで走り、主水は海面に向かって叫んでいた。
「サイ魚法師、私だ。主水だ。お主たちが海中におるのはわかっておる。助けを所望じゃ」 ぐらぐらと振動する空母ライオンの横に、小型の潜水艦が浮上する。サイ魚法師の新しい潜水艦だった。
「やはりおったか、法師。同じロボット同志、ここは助けてくれぬか」
「おう、生きておったか、主水。申しで断る、と言いたいところだが、先日ロセンデールから追い出されたわしじゃ。それゆえ、意趣返しじゃ。主水、協力してやろう」
 サイ魚法師はつるりと顔をなで笑った。
「かたじけない、さすがはその名も高いサイ魚法師じゃ、有り難い」
「おい、主水、褒めるのもいいかげんにいたせ。早くしないとシュトルフの聖騎士団がやってこようぞ」
「わかった。右舷側からサイ魚の攻撃をお願いもうそう」
「あい、わかった。まっておれ。特製のサイ魚軍団攻撃を加えてやるわ」
 サイ魚法師の潜水艦の後には数万匹のサイ魚の群れがひしめいている。
「ライオン」の右舷に水しぶきがあがる。
 サイ魚の大群が魚雷のように空母を攻撃しはじめた。このサイ魚は鉄を食う魚である。 バイオ空母「ライオン」の船底は食い尽くされる。バイオ空母だけに、鑑底は柔らかいのだ。加えて力士ロボットの働きぶりである。ライオンは沈み始めた。
「ロセンデール卿、ロセンデール卿はどこだ」主水は叫んでいた。艦橋のラダーを駆け上がっていた。
「ロセンデール卿降りてこい。勝負じゃ」
 そのとき、急速に降下してくるバイオコプターが一機ある。
「いかん、逃げろ」
 主水は、反乱ロボットに向かい叫ぶ。
 何体かの力士ロボットが被弾し、数体倒れる。バイオコプターからの一連射が甲板上を縫った。
「これが私の挨拶状がわりです。主水、機械城で待っておりますぞ。ふっふっ」
 バイオコプターの窓から、ロセンデールの顔が浮かびあがって、にやりと笑った。


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