RSS | ATOM | SEARCH
ガーディアンルポ05「クワイアーボーイズ」第3回
■ガーディアンルポ05「クワイアーボーイズ」第3回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/

 僕は待ち構えている。
が、俺は一瞬、この敵「ROW」の生命体ミサイルに近しいものを覚えていた。
彼らも思考能力をもっている。
彼らも、はるか遠い星から雅味を目掛け七くる。
ただ破壊のために。母星に帰れることなどなく、
地球を攻撃し、成功した_ところ分栄光があるわけではない。
ただ死が待っているだけだ。
彼らにとっても死は甘美な瞬間かもしれない。

 接触。なま暖かいものが感じられる。何かの意識が、俺の意識に呼び掛けてくる。
「まさか、君もそうなのか」
俺より、先に、相手の意識が割り込んできた。
 ああ、俺の同じ生命体がここにいたのだ。
僕の意識が消え去るまで意識で語ろう。お互いに短い問の生命だ。

俺は言う
「なあに、短い間だ、俺と君が、燃え尽きるまで俺の話を聞いてくれ」
敵「ROW」の生体ミサイルが答える。
「ああ、俺も、この地球への長い航海の中で安らぎが欲しからた。語ってくれるか。この私
のために地球の話を、、」

 俺達は、相手を滅ばすために、抱き合いながら、地球の引力圈へと落ちで行く。
 
俺の語りは「高速度コミュニケーション」で、俺と彼の問で行われる。


そうか。俺はきづく。
聖歌はこのコミュニケーションの瞬間に発する
データ交換の音だったのだ。

そして、ひとつの聖歌は終わる。
(ガーディアンルポ05「クワイアーボーイズ」完)
■ガーディアンルポ05「クワイアーボーイズ」第3回(1979年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
http://ameblo.jp/yamadabook


author:山田企画事務所, category:ガーデイアンレポ, 12:38
-, -
ガーディアンルポ05「クアイアーボーイズ」第1回
■ガーディアンルポ05「クアイアーボーイズ」第1回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/  

第1回
「7人の友情」というふざけたネーミングの設置船のブースターの炎が、地球に向かって降っていった。。これで、俺M113-012の定位置も決まりだ。


アリスママが、俺たちに向かって手を降るのが、内視できた。
俺の今回の仲間は240名だ。効率の良い数らしい。

「7人の友情」の地球から上昇中も、「聖歌」は俺たちの聴覚に聞こえていた。
俺たちの仲間の「聖歌」は耳に残り、心を揺さぶる。

ようやくおち着いた俺は、視覚装置であたりを見渡す。
周りはすべて闇。
背後には地球光。
他の仲間との接触は禁じられている。
全くの孤独。
自分から言葉を発することもできない。
敵「ROW」に察知されるからだ。敵「ROW」と遭遇するまで、眠るこことも休むこともない、
無限の沈黙が続く。
 
設置船「7人の友情」から投げ出された時から、この宇空間から外れることは許されない。
意識が継ぎれることなく、宇宙の監視が続く。敵RMが飛ばせる生体ミサイルを防ぐまて。

僕たちは[クアイアーボーイズ]と呼ばれた。
地球を守るために選ばれた意識。
僕達の死ぬ瞬間、泣き声ともつかぬ「音」を発する。
その音は地球のどこでも聞こえた。人類は、それで俺達の存在と死ぬ瞬間を知る。
その音は、ある種の聖歌を思わせるらしい。その聖歌隊、つまりクアイアーボーイズと
俺たち「生物体機雷」は呼ばれた。
(続く)
■ガーディアンルポ05「クアイアーボーイズ」第1回(1979年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
http://ameblo.jp/yamadabook
author:山田企画事務所, category:ガーデイアンレポ, 01:40
-, -
ガーディアンルポ05「クワイアーボーイズ」第2回
■ガーディアンルポ05「クワイアーボーイズ」第2回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/

 敵もはるかかなたから、生命体ミサイルを発射する。
それに対抗すべく地球連邦軍が考えだしたのが、クワイアーボーイズだ。
そのミサイルをいち早く発見し、処理するのが俺たち、クワイアーボーイズに与えられた任務だった。生体ミサイルは思考能力をもつ。
役割?。それは生命体ミサイルに対抗して、彼らを地球圏内に突入までに処理すること。
いわば相打ちだ。

 俺たちクワイアーボーイズは、地球人類の科学が生み出したバイオノイド。
地球人の細胞から生み出された生物機械。

俺たちの意識の奥には、君たちが失敗すれば、「親」が死ぬという刷り込み
がされている。
親を叔うために自分が犠牲にならなくてはという動機ずけだ。

 『僕達がいるのは地球を守るためではない。地球人を守るためでもない。そう、アリスママ、
俺たちはあなたを守るために、この宇宙という大いなる暗渠にいるのだ』
アリスママ、つまり私の生命の源、顔を覚えている!


俺M113-012は、飛来してくる生体ミサイルをついに認知する。
終わりがやっと来たのだ。

何の恐れもなかった。
あるいは、死ぬことは安らぎかも知れないと想った。
この孤独にくらべれば。     
 再び、周りを見る。仲間のクワイアーボーイズの亡きがらが、1セット240人の仲間。
周りに浮遊している。失敗すれば、自動的に監視ステーションが
不良品として俺たちの生命抹殺を行う。
(続く)
■ガーディアンルポ05「クワイアーボーイズ」第2回(1979年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
http://ameblo.jp/yamadabook

author:山田企画事務所, category:ガーデイアンレポ, 12:35
-, -
ガーディアンルポ02「人間樹の星」第6回 (最終回)
ガーディアンルポ02「人間樹の星」第6回 (最終回)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yama-kikaku.com/


■ガーディアンルポ02「人間樹の星」第6回■
■銀河辺境惑星ナーダ77。至世歴100年

種人間グレイを抱いて、ガーディアンのヘルム、タリス、それに番人の少年ビックが地下トンネルに急いで逃げこんだ。

スキャッグ達かここまで据り進んで来たのだ。
「上はえらい騒ぎだ」
「それもこれもか前さん連のおかけさ」
 大き々音が響き、大地が揺らいだ。今入ってきた穴のあたりが地くすれを起こした。フ
フライング・キャッスルがまた降下してきたのだ。土がパラパラと皆の頭の上に落ちてくる。
「危いところだ。数メートル違ったら、俺たち平らになっていたぜ」
「さあ、これからどうする。どうやってグレイを連れて帰るかだ」

{スキャッグ、頼まれついでだ。すまないが地獄船の所まで俺達を連れていってくれ」
「ちえっ、人使いの荒いお方だな」
「この星から脱出するには、残念ながら、再び地獄船のやっかいにならねばな」
「ヘルム、覚えていてくれよ。俺はお前さん方の命の恩人なんだからね」
「わかった。わかった。か礼は後で、なんとてもするさ。頼むよ」
「わかった客人。仲間の助けを借りて大至急やるさ」
 地獄船のすぐそばに穴か開いたのはそれから2時間(コスモタイム)たった頃だ。地獄船にはバル
船長以下の船員はまだ帰ってきていないようだ,
人間樹園の方からは、大きな火の手があがっている。
「お、燃えてる。燃えてる」
スキャッグがうれしそうに言った。
「人間が焼け死んでるんだぜ。そんなにうれしいか」
「クリス、彼らは人間樹人だよ。これで彼らは緩慢な死からのがれられたんだよ」
「そうだ、それか幸せってもんだ」
ヘルムはグレイの体を見下ろし恋がら、言った。
「さあ、仕事を早くかたずけようぜ、タリス。ビック、お前はここに残ってグレイを見て
いてくれ」
 ヘルムとタリスが船のハッチヘ向かう。留守番の船員がいた。彼は二人を船長達と思い
こんだ。
「船長、大丈夫ですか。大変な事に」
 ヘルムに気づいたかすでに遅かった。レイ・サーベルを抜こうとしたが、一撃で倒され
た。
「ようし、完了だ。発進だ。この船で脱出だ」
「ビック、グレイを船の中へ運べ」
 ビックはグレイの体をそっと船へ横たえた。
急にタリスは、レイ・サーベルをビックヘ向ける。
「ビック、すまないが、船を降りてくれ」
「どうして、さっきヘルムと約束したんだ。僕を地球に連れて‘いってくれるって」
 ヘルムも冷たく言う。
「残念だな。ここでか別れだ」
 スキャッグが横から口を出す。
「タリス、ヘルム、それはあんまりだぜ。この坊やだってグレイを助けるために働いたん
だ。いいじゃないか。乗せてやれよ」
「スキャッグ、お前は命の恩人かもしれんが、黙って船から出ていってくれ。俺達はグレ
イを連れて帰るように命令されているだけだ。他の人間は残念々がら、足手まといだ」
「でも」
「うるさい。ぐずぐずするな。か礼はまたあとでだ」
ビックはしかた々くスキャッグと共に地獄船から外に出た。


ビックは、ヘルムとタリスに乗っとられた地獄船が、グレイを乗せて、飛び立って行くの
を見上げていた。
フライング・キャッスルが飛来し、追撃のために上昇しょうとした。しかしフライング・
キャッスルはゆっくり停止した。人間樹園が完全に燃えあがるのをながめているように
見えた。やがて地獄船とは別の方向へ飛び去って行く。残った有翼入もフライング・キャ
キャッスルの方へ舞い上がっていった。ナーダー77は地虫の星となったのだ。
あたりに入間樹の燃える煙が漂ってきた。ひどい臭いだ。
スキャッグが言った。

「うまくいきましたね。ガーディアン・ビック。
奴らは完全に信じきっていますよ。あの種入間がグレイだとね。
地球に辿り着いてからの奴らの行動が見ものですね」
ビッタは表層人格を、今の今まで人工的に作りあげていた、偽りのパーソナリテイをか
なぐりすてた。声色、態度が変わる。

「そうだ。彼らを監視していれば、コンタタトしてくる他のROW、つまり侵入者を突き
とめることができるから々。彼らの表層人格はかなり強固だ。君といる間、私といる間で
もすきを見せなかった。二人は完全にタリスとヘルムになりきっている。いつROWの本
隊から指令を受けるか、それを察知し々けれぱ」
「本物のグレイはどうしました」
「だいじょうぶ。安全な場所に隔離してある。後から私の船で地球へ連れて帰るよ。グレ
づには休息と治療が必要だ。それに新しい家庭が必要だ。それにME(救世主)を生じるための子供
がね。彼はかなねROWに痛めつけられていた。彼の話を聞いて私にはそれがよくわかっ
た。彼が気づかないうちに、私がかなり治療を行々ったんだ。彼と対話しながらね」
「先刻、彼らが連れていった人間樹は?」
「ああ、彼には囮になってもらう。グレイということでタリスとヘルムがこれからも守り
をかためることになるだろう。もう我々に過失は許されない。今回のグレイのようにね」

煙の中から人間が数人とびだしてきた。バル船長と船員達だ。彼らは煙で真黒になり、
地獄船が出発したのを見て怒り狂っていた。
ビックは隠し持っていたレイーガンを抜き、落ち着きはらい、全員を撃ち殺した。反撃
のひまを与えなかった。

「もう、地獄船もナーダ77に来ることは々いだろう。約束通りに、この星は君達、地虫族の支
配下となった。人間樹園も消滅した」
「その点に関して感謝しています。ビック」
「いやか互いさまさ、スキャッグ」
「しかし、ROWの擬態技術には驚きました。私もあの船にセットされていた映像を
見なければ信じられませんでしたよ。あのタリスとヘルムがROWだとはね」
クリスとヘルムのロケットの残骸から、スキャッグが拾ってきたブラッタ・ボックスに
は映像フイルムが収められていた。
その映像フイルムには驚くべき事実が写されていた。

ナーダー77への途上でロケットは攻撃され、タリスとヘルムは死亡した。
時をおき船の側壁から緑色のゲル状の生物が侵入してきた。
その生物は二つに分かれ、それそれヘルムと
タリスの死体に被いかぶさった。

しばらくして二体の生物は二人の死体から離れて起きあ
がった。始めはぼんやりした形だったが、人間の形をとり始める。数分のも、そこにはタ
リスとヘルムそっくりの男が出現した。
彼らは死体を始末し、船をナーダ77へ向けたのだ。
それからコッタピット内で彼らは眠りに着いた。人間のパーソナリティを学習するのには
時間がかかるのだ。
 船が爆発したのは、医療チューブでタリスの体が入間でないと感知されたからだ。自動
的に自爆装置か働いたのだ。

スキャッグはビックに言った。
「これでスリーパーとしてのあなたの役目は終了しましたね」
「そりだ・今までの協力を感謝するよ」
ビックはヘルムとタリスのすぐ後で地球を出発したのだ。

ビックの事はガーディアンの内部でもあまり知られてい々い。

彼はタイム・ジャンプを行ない過去へ瀕り、赤ん功の姿
に変身して地獄船にわざとつかまった・昭対聯がらナーダ77K来ていたのだ・今のビック
の姿は十才の子供なのだが、すでにもう数百歳になっている。ビックは「長命族」で「最上級ガ
ーディアン」に属している。

いつまで、俺は戦い続けることができるだろう。新生人類は果たしてROWに打ち勝つ
ことができるだろうか。
ビッタは自問自答する。
俺はしかし、新生人類のため、自らの生存のためにもどうしても戦い続けなければならぬ。

ナーダ77の薄紫色の空を見上げながら、最上級ガーディアン、ビッグは思った。

(ガーディアンルポ02完)

■ガーディアンルポ02「人間樹の星」第6回(最終回)■(1985年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
http://ameblo.jp/yamadabook



author:山田企画事務所, category:ガーデイアンレポ, 23:03
comments(0), -
ガーディアンルポ02「人間樹の星」第5回
ガーディアンルポ02「人間樹の星」第5回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yama-kikaku.com/


■ガーディアンルポ02「人間樹の星」第5回■
■銀河辺境惑星ナーダ77。至世歴100年

 地獄船の船員は、歴戦の兵(つわもの)だ。次々と入れかわり立ちかわり鋭いつきをかけてくる。最初人間樹の間を逃げまわっていたガーディアンのヘルムは、ようやく船員の一人を倒し、レイーサーベルを手にした。
 互角に戦い始める。さらに樹園上空に飛来したフライング・キャッスルヘテレパシーを先程から送っていたが、どうやらタリスに通じたようだ。いい兆候だ。
 しかし、有翼人も戦列に加わってきた。彼らはハープに似た楽器をかき鳴らし始める。
その音に同調し人間樹がざわめく。楽器にあやつられ、近接する入間樹が、ヘルムに向かってきた。見ただけで気か遠くなる数だ。片手でレイーサーベルを使い船員達を相手にする。さらに片手でレイ・ガンを構え、盲撃ちを始める。次にはテレパシーで手近かの人間樹をあやつり、他の入間樹に対立させる。
 人間樹が動き出したので、動きがとれなくなった船員達は、有翼人の助けを借りて、空へのがれた。
「うわっ、助けてくれ」
 メモリーマン、シータは数体の人間樹に踏みつけられた。有翼人が急いで助けあげたが、虫の息だった。
 番人小屋の中で休んでいた人間樹の番人ビックは、時ならぬ楽器の音に驚いた。しかもこの音は、、。
ビックは、自分の任務を果たす時がきたと思った。これから演技力を要求されるぞ。ビッグは身をひきしめた。小屋の側の入間樹に袋をかける。昨日、有翼人からISSSN−一丸○九、すなわちグレイを植えかえるように命令された時から用意してあった袋だ。袋をかける前に入間樹の顔にふれる。完璧だ。これなら見やぶれまい。ビックは小屋へもどり、床下から箱を引きずむ出す。スイッチを入れて、言った。
「よし、行動をおこせ」
 一方、上空のフライング・キャッスルの中でも異変か起こっていた。心理分析室に監禁されていたガーデイアン、タリスが目ざめた。タリスも自らの力を発揮する時がきたのだ。
 『タリJ、起きろ、起きてくれ。助けか必要なんか』
 ヘルムのテレパシーか届く範囲にうまくフライング・キャッスルが入ってきた。ヘルムのテレパシーが、タリスに通じた。ヘルムの精神力がクリスの筋力系に大きく作用する。
大いなる力がクリスの体中にみなぎる。
 タリスは部屋のドアを体当たりで開け、側にいた有翼入の腕をへし折り、レイ・ガンを奪った。回廊にいた有翼入をレイ・ガンでなぎたかしながら、操縦室へ向かう。ヘルムのテレパシーがその位置を教えてくれるのだ。
 操縦室へ突入し、有真人に反撃の機会を与えずK数秒で全員をかたずけてしまった。部屋のドアを内側からロックした。
 ヘルムを助けるためにフライング・キャッスルを降下させようとした。
「伺をするつもりだ」
 声が部屋全体から聞こえてくる。タリでほある事に気がついた。部屋のあちこちを見渡す。どこかに弱点があるはずだ。タリスは盲めっぽぅにパネルを破壊し始めた。
「やめろ、やめてくれ」
 声は哀願した。
「頼む、やめてくれ。体を破壊するのはやめてぐれ。それは私の神経システムの中枢々のだ」
「お前は誰なのだ」
 タリスは手を止めて尋ねた。
「私はナーダ77の領主だ」
 このフライング・キャッスルがそれ自体一つの生命体だったのだ。そして領主だった。
「しばらくの間、言うことをきいてもらえるかね。そうすれば私も乱暴は働かないよ、あんたの体にはね」
「わかった。お前の思う通りにする。しばらくはお前の勝ちだ」
 声はとぎれた。
 タリスは、フライングーキャッスルをヘルムの頭上に停止させた。地上すれすれた。
スキャヅグ達、地虫は、ある入物の指令により攻撃を開始していた。地下トンネルのもちらこちらから勢いよく飛び出した。樹園の方々から火災放射罫による火が燃えあがってくる。有算入は地虫を見つけ、反撃を始める。
ヘルムは、思いきり跳躍し、フライング・キャッスルの底部にとりついた、タリスに合図をテレパシーでかくる。タリスは急速にキャッスルを上昇させた。
この任務は失敗に終わりそうだ。グレイをどうしても県つけなければとヘルムはあせった。
ヘルムは、フライング・キャッスルの底部にいるのが自分だけでないことに気がついた。
小さな子供だった。
ビックだった。ビックは何とかヘルムに助けられ、フライングキャッスルの下部ハッチから内へ人った。ハッチはタリスが開けてくれた。有翼入はあらわれなかった。タリスがフライング・キャッスルの中枢、操縦室を押さえているので、うかつに手を出せないのだ。
ヘルムは少年に尋ねた。
「お前は誰だ?」
「僕はピッタだ。人間樹の番人さ。おじさん、グレイさんを捜しにきたんだろう」
[そうだ、なぜ、それを知っている』
ヘルムはテレパシーでビックに尋ねた。
「昨日、有翼入からグレイさんを植えかえるように言われたからさ。あんなことは初めてだからね。何かあると思ったんだ」
「それじゃ、お前はグレイが今植えられている所を知っているんだな」
「そうだよヽ僕が植えたんだからね」
「すまんか、さっそくそこへ連れて行ってもら分うか」
「その前に、一つ頼みがあるんだよ」
「何だ、言ってみろ」
 ビックはポケットから小型の箱をとりだす。
「おっと、無理やり、僕の頭からその場所をテレパシーで探ろうとしてもダメだよ。そんなことをすればグレイさんは死んでしまうよ。グレイさんの足もとに爆弾を埋めてあるんだ。このスイッを押せば総て終わりさ」
「悪賢いガキだ。わかった早く言え」
「僕も地球に連れていっておくれよ」
「何、お前をか」
ヘルムはピックの姿を見まわす。
「そうだ。僕はナーダ77で小さい時から育った。たから一度も地球を昆た事が々い。地球の事はグレイさんから色々聞いた。行ってみたいんだ。お願い、連れて行って分くれよ」
「わかった。連れていってやる。早く、グレイの居場所を教えてくれ。火がまわってくるぞ」
「本当に、地球に連れていってくれるんだね。まちがいないね」
「ああ、たから早く教えてくれ」
フライング・キャッスルの窓からピッタは指さした。
「あすこだよ。あそこにみえるあの番人小屋の近くだよ。早く、このフーライング・キャッスルを偏に降ろしてよ」
フライン″キャッスルは番人小屋の真上で静止した。タリスも操縦室から出てきて、三人でフライング・キャッスルから飛び降りた。
小屋の横に袋に包まれている人間樹があった。ビックはそれを示した。
「これた。これがグレイさんだ」
ヘルムは袋を破き、グレイの顔を確かめる。テレパシーで呼びかけるか、返事はない。
「どうやら、グレイのようだな。しかし心は閉じられている」
「よし、さっそく、フライング・キャッスルヘもどろう」
フラインダ・キャッスルはもう彼らの自由にはならなかった。領主が蘇ったのだ。それは三人を押しつぶそうとして急速に落下してきた。大地が震える。フラインキャッスルのために小屋は粉々にたたきつぶされた。さらに有翼人も飛来してきた。
『スキャッグ、助けてくれ。ここまで地下トンネルを掘ってくれ』
 ヘルムは必死でテレパシーによりスキャッグを呼ぶ。
 なんとか、スキャッグには通じた。
 フライング・キャッスルは再び大空へ舞い上り、また急激に三人の方へ落下してきた。
地面がゆれる。どうにか三人は走りつづけ逃れる。グレイの体を抱えて走るのはかなり危険だ。
[早く、スキャッグ、俺達はフライング・キャッスルに押しつぶされてしまう』
 空からは有翼人がレイ・ガンを撃ってきた。その時突然走っている前の地面が割れた。
地虫の、スキャッグが顔を出した。
「早くしろ!」
■ガーディアンルポ02「人間樹の星」第5回■(1985年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
http://ameblo.jp/yamadabook

author:山田企画事務所, category:ガーデイアンレポ, 00:27
comments(0), -
ガーディアンルポ02「人間樹の星」第4回
ガーディアンルポ02「人間樹の星」第4回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yama-kikaku.com/


■ガーディアンルポ02「人間樹の星」第4回■
■銀河辺境惑星ナーダ77。至世歴100年

地虫の、スキャッグは、ようやく地上にたどりついた。スクリーンの男から頼まれた物を捜すた
めに、危険を犯し、クリスとヘルムのログットの残骸の所へやってきたのだ。
 船の残滓はあたり一面K吹き飛んでいる。

 小一時間(コスモクロノ)捜し、ようやくか目当ての小さなポックスを見つけだした。合金でできた黒い
箱。なぜこんなものが必要なのか、スキャッグにはわからない。
 遠くから翼の音が聞えてきた。有翼人達が船を調べにきたのだろう。スキャッグは地下
トンネルにすばやく潜りこむ。
一群の有翼人か降りて来て、あたりを必死で調へている。
トンネルの出入口に時限爆弾を仕掛け、スキャッグはすばやく地下ステーションに向かう。
 あとはヘルムの働きを待つだけだ。それに俺達は入間樹園の攻撃を準備しなければ。そ
うスキャッグは思った。

 遠くから、爆発音が響いてきた。
何人の有翼人を殺っただろうか。

 ヘルムの乗ったロケットは古い代物だ。ナーダ77の引力圏を出てすぐにエンジンがスト
ップした。恐らく地獄船もこれが罠だとは思うまい。本当にひどいロケットなのだ。
 「地獄船」のバル船長は、生命体の存在に気づき、拾っていくつもりになった。マニュピュ
レーターを操作し、ひどく老朽化した船を船内ドッグに収容Lだ。

 メディカル・システムで、ヘルムの体を調へたバル船長はほくそえんだ。
「こいつは拾いものだ。種入間にぴったりた。これでまた儲けが増えるってもんさ」
ヘルムはまったくロがきけない。あの薬のおかげた。センサーで体の各部を詳細にチェ
プタされ加工室へと運ぱれた。加工室には種入聞が一体ずつ生体チューフに入れられ保存
されている。ヘルムも詰めこまれる。
大昔の、地球の奴隷船よりひどい扱いた。彼は商品にすぎない。
バル船長は往時の海賊船長の姿をしている。顎ひげをはやし、眼帯をつけている。宇宙
パトロールと交戦した時の傷らしい。他の船員も似たりよったりの格好だ。腰には、接近
戦に大きな力を持つレイ・サーベルを装着している。

何年か前は、彼らも正規の貿易商船員だったろう。しかし多発する恒星間戦争か、人生
の何かを打ちこわした。一攫千金を夢みる者にとって入間の休の売買ほど、儲かるものは
ないのだ。戦争はサイボーグを数多く生み、また体の各部の需要も増大ざせた。
特にナーダ77の人間樹から生みだされる亜人類は戦士として星からの多望が強い。「地獄
船は種入間を売り、亜人類を買って帰るのだ。
地獄船がナーダ77に着陸した。そこは空港と呼ぶにはいささか寂しい感じたが、必要最
最小限の設備はそろっている。
メモリー・マンのシータがバル船長を迎えに来ていた。
「バル船長、ひさしぶりだね」
 「3ヵ月(コスモクロノ)ぶりだね」
「どうだい、景気の方は? モーダ地区でかなり大きな戦争があるって聞いているよ。戦
士がかなり入り用だろうね」
「いや、いや。俺はあそこまで行っていない。この船じゃ無理さ」
「そうかな。しこたま儲けたという話を聞いている」
「その話は聞き違いじゃないか。おっと、失礼、あんたはメモリー・マンだな。嘘はつけ
ないな」

やがて船長達はエアカーで人間樹園での収穫の様子を見に行く事になった。
シータの方は残って地獄船が運んできた種人間を一体ずつチェックすることになった。
ランク区分をし、それをすべて自身のデータバンタに記憶するためだ。

ヘルムは、三脚の補助足に支えられた入間が近づいてくるのを見た。どうやらチューブ
の種人間を端から一つ一つ調べているようだ。彼が、地虫のスキャッグJキャツグの言ってい
たメモリー・マンらしい。
ようやく、シータがヘルムの前にやってきた。地獄船のマニュピュレーターにつかまえ
られた折、ヘルムは奥歯にしこんでいた強化剤を飲みこんだ。この薬がきき始めている。
チューブが持ち上げられ、シータの手が近づいてくる。
一瞬、シータが何か起こったのかわからなかった。気がつくと、シータは種人間に首を
がっちりとつかまえられていた。恐るべき膂力だ。かまけにすばやく彼の腰から抜き取ら
れたレイ・ガンが頭部に当てられている。シータをガードしていた有翼人も手のだしようか々い。
「お前は何者だ」
 苦しい息の下からシータが反逆者に尋ねた。
『誰でもいい、お前に聞きたい事がある』
 ヘルムはテレパシーで直接、シータの心へ呼びかけた。
「お前はエスパーだな。くそっ、わかったぞ。ガーデイアンのヘルムだな」
『なぜ、それを知っている」
 強力な精神波が、シータの頭の中で荒れくるっていた。爆発的々精神エネルギーだ。シ
ータはあらがいようがない。心理技術者であるシータにとって初めての経験だった。この
ような恐るべきエスパーと対峙したのは。正直に答えざるを得ない。

『クリスは我々の手にある。彼の心から君の事を胱みとったのだ』
『クリスはどこだ』
『フライング・キャッスルの中だ」
『よし、あとて、案内してもらかう。先にグレイの所へ連れていってもらかうか。もちろ
んグレイを知っているだろう』
『グレイの居場所は知らん。私が植えかえるように命令したのだ。どこに植えかえたかは
知らん」
「くそっ、しかたがない。初めに植えてあった所まで、案内してもらおう』
ヘルムは、シータの後から船の外へ出た。有翼人達はこちらを見ているが、手を出せな
い。二人はよりやくエアカーまでたどりつく。突如、シータの補助足をヘルムはレイガン
で焼き切った。
「うわっ、何をするんだ。足がないと私は歩けないんだ」
『逃げるないようにしたんだ。これからはこの車が、お前の足だ」
 エアカーは人間樹園へ向けて走り出す。
空には有翼人が、遠まきにつけて来ている。おまけにフライング・キャッスル本体が徐々
にエアカーの上空へ近づいてくる。
 眼前にスキャッグの地下ステーションで改がめた入間樹園が広がっていた。恐ろしい数
だ。見渡す限り、白色の、あるいは黄色の、各々の時期の入間奏がどこまで続くかわから
改い程連改っている。
この中からグレイを見つけださねぱ改らたい。
 エアカーは人間樹園の中に人ってから、かなりの時間走り続けた。ヘルムの前を人間の
体が、次々と通りすぎていった。数千、いや何万体の入間……。
地平線のむこうまで。
 それが等間隔で整然と並べられている姿は何にも例えようがないのた。
二度とこんな経験はしたくないとヘルムは思った。
 急に、シータかエアカーを止めた。
『どうした?」
「ここだ。ここか、グレイを檜えてあったところだ」
 その場所ISSSN−1909区画部分だけぽつんと除いていた。
「さて、どうするね」
 シータはにやりと笑い、ヘルムの方を見た。
シータの眼はバル船長遠のエアカーを遠くとらえている。エアカーには誰もいない。
 ヘルムはISSSN−一九〇九の近くの入間樹にグレイの行方を心で尋ねてみた。
心をまったく開か々い者もいる。
ほとんどが心は空白状態に近い。誰もダレイがどこに植えかえられたか知らないようだ。
 人間樹との対話に夢中になっているヘルムの背後から、突然、レイ・サーベルが襲って
きた。
バル船長と、地獄船の船員遠だった。
エアカーの無線で有真人からこの異変を聞き、待ちぶせていたのだ。
 間一髪、ヘルムはレイ・サーベルをかわしたが、片腕に激痛が走った。
数インチのところをレイ・サーベルがかすったのだ。
 彼らは人間樹に隠れて、近づいてきたのだ。シータはその瞬間エアカーから勢いよく外
へ飛びだしたが、無様にも地面を這っている。歩けないのだ。補助足をヘルムに壊されて
いる。


■ガーディアンルポ02「人間樹の星」第4回■(1985年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
http://ameblo.jp/yamadabook

author:山田企画事務所, category:ガーデイアンレポ, 22:50
comments(0), -
ガーディアンルポ02「人間樹の星」第3回
ガーディアンルポ02「人間樹の星」第3回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yama-kikaku.com/


■ガーディアンルポ02「人間樹の星」第3回■
■銀河辺境惑星ナーダ77。至世歴100年


ガーディアンのクリスが目ざめた時、体は小刻みに震えている。
今、新しく生まわたような気分がする。
なぜだ。体調が悪いのか。大地が震えている。

 段々と、まわりの光景が眼に々じんでくる。どうやら宇宙船にいるのではないらしい。
鉄格子が視界のじゃまになっている。通路らしきものが前にあり、窓から向こうの空か見
渡せた。うす紫色の空だが、驚いたことにそれは恐ろしい速度で動いている。

ここは目的地の星「ナーダ77」なのだろうか。側を見た。ガーディアンの同僚、ヘルムがいない。
死んたか。近くにいるならば、クリスは、ヘルムのテレパシーを感じるはずだ。

くそっ、どうしたんだ。
 思わず足を踏みつけた。今まで気がつかなかったが、そこは金属でなく、岩でできてい
外の通路も岩盤でできている。
ここは一体全体どこなんだ。
クリスが考えあぐねている時、通路に機械人間が現われた。
そいつは機械人間としか呼  びようがない。
ヒューマノイドだが、華奢な体で、巨大な頭部がその上にのっている。補助機器が全身に附加されている。自分の力だけでは歩けないようだ。円形の機械が腰をと
りまいて接続されていて、三脚の補助足がでている。それでようやく体を支え、体の移動
を可能Kしている。
「君、どこの星から来たんだね。有翼人達はどうやら手荒く扱ったらしいが、私はもっと
紳士的だからね。あ、そうそう。これは失礼、自己紹介してかこう。私はシータ。御覧の
通り、メモリー・マンだ。そしてナーダ77の情報網を手にしている。いわばこの星のだった一人の情報省さ」

「ナーダ77」か。やはりたどり着いていたのか。どうやら俺クリスはこの星の奴らにつかまったら
ないな。さて、どう話したらいいものか。クリスは黙っている。
「ほう、返事が々いね。答えるつもりかないのかね。まあ、いい、どうせ答えざるを得なくなるからね。私はこうみえても心理技術者だ。君の心の扉を開いてみせよう。楽しみに
少し待っていたまえ」
メモリー・マンのシータは通路の彼方へ消えた。しばらく様子をみてクリスは鉄格子をさわってみる。柔
らかなものだ。クリスが力を加えると、簡単に曲がる。何しろクリスは荒事が得意々のだ。
通路へ出て百房くらい歩くと扉がある。外へ出た。
 そこには、地面がない。空に浮かんでいた。
いやナーダ77の大地に向かい落下しているのだ。もうためかと思った瞬間、鋭い爪で上からつかみとられた。見上げると、翼を持つヒューマノ
イドがクリスをつかまえ、上昇していく。

クリスは始めて、今まで自分か閉じ込められていた建物を見た。
巨大々岩が空に浮かんでいた。そいつは恐るべきスヒードで空間を自在に移動しているのだ。
冷汗がにじんでくる。
 フライング・キャッスルの入口に連れもどされた。
扉の所にシータが待っていた。
「フライング・キャッスルへ、再びようこそ。どうだね。空を泳いだ気分は、ショックのあ
との無力感。すばらしい実験なのさ。さあ、これで私メモリー・マンのシータの、君に対する心理技術、いわば拷問ってやつに、君には使い易くなっている
さ」


人間樹の番人、少年ピッタの目の前に広がる風景はいつも同じなのだ。
ビッタのナーダ77での生活が何の変化もないのと同一だ。

ビッタは幼い頃、地獄船でこのナーダ77へ連れてこられた。
しかしまだ入間樹の種入間となる程、成人していなかったので、領主は、彼を入間
樹園の番人の一入としたのだ。
ビッタは十才くらい。まだあどけない少年なのだ。
ビッタ達、番人が住む小屋のまわりといえば、もちろん入間樹が果てしなく広がってい
るだけだ。その果てがどこなのかビッタ達も知らない。
また番人が何人いて、このような番人小屋がいくつあるのか知らない。
   入間樹には肥料は不必要だ。
有翼入がかなでる楽器のメロディが彼らを徐々に変貌させていく。

ビッタ達は特に、移植初期の種人間が動かないよりに見はり、実か熟しきらないうちに
摘与収っていく。また天敵である地虫が人間樹を盗みにくるのを防がなければならない。
それらが、彼ら番人の仕事なのだ。
種人間とは話をしてはいけない。
が、やはり友遠のいないビッタは話をしたくなる。
こちらが話しかけても答えがかえってこない種人間がほとんどだが、最近植えられたグレイはちょっ
と違っていた。
だから、いつも巡回の折に、グレイの前で立ち止まってしまう。
グレイは灰色の髪をして、いつも苦しそうな顔をしている。眉間のしわが深い。
「グレイ、グレイ」
種入間は眠りにつこうとしていた。
グレイはピッタの再度の呼びかけでやっと眼を開けた。
「やあ、ビッタか」
「お願い。地球の話をしてかくれよ」
「困ったね。ビッタ。私はできるだけ地球の事を忘れたいのさ。私にとってはもう意味の
ない星だからね。今はこの安らかなナーダ77が私にとって故郷の星たんだ。地球は余りに
騒々しい」
「ねえ、グレイ。頼むから話をしてかくれよ。僕はナーダ77しか知らないんたよ。ど人々
風に騒々しいのさ。1度行ってみたい。地球ってどんな所」
「地球かね。私はそこで傷つき、逃れてきたんだよ。何度も話しているようにね。でも君
には面白いかもしれ々いね。私の子供が生きていればちょうど君くらいだろう」
「グレイ、あなたの家族は」
「いない。皆死んでしまったんだ。あるつまらない争いごとのためにね」
「………」
「ところでビッタ、地球には、動物ってのがいるんたよ。猫や犬やその他一杯ね。とても
可愛いのさ。私の子供も可愛かっていた」
 グレイはわずかつつ、心を開き、ビッタに地球の話をし始めていた。自分の子供に語る
ように。そんな時のグレイの顔はとても安らかにたる。彼グレイには、やさしさが、
心を安んじてくれる者が必要だった。
 グレイはROWの攻撃により、気がつかないりちに、生活の張りをなくされていた。グレイと
ビッグの話はいつまでも続きそうだった。


 クリスはメモリー・マンのシータの心理分析を受けて、顔は苦痛にゆがんでいる。
 シータは分析機によって、ガーディアン、タリスとヘルムがナーダ77に来た理由をすでに読みとっていた。
「グレイ。この男をガーディアンは捜しているのか」
 メモリー・マンであるシータは自分のデーターバンタから必要なデータをアウトプット
していた。
「グレイ。彼はそんなに地球にとって必要な男なのか」
 シータは、タリスを連れて来た有翼人のチーフを呼びたした。
「か前は、この男の連れが、地面に飲みこまれたと言っていたな。もう1度、調べてこい。
できれば、地下を捜し、死体を見つけてくるんだ。わかっているだろうが、地虫には充分
気をつけろ」
 地下は「地虫」達の世界だ。有翼人は地虫の地下トンネルを非常に怖れている。有翼人はし
ぶしぶ命令に従い、手勢を引き連れ、出かけて行く。
 もし、まだ「ヘルム」という男が生きていて、地虫に助けられているとしたら。そう考えてシ
ーメはもう一つ手を打っておくことにした。

 今度は人間樹園を管理する有翼人を呼び出し、指示を与える。
「ISSSN−19099の入間樹の種人間を植かえろ」
「しかし、シータ。この男はすぐに第2期成長に入るのですが」
「この処置は私にとってとても必要なのだ。わかるかね」
 シータは有翼人をにらみつける。
「わかりました。かかせに従います」
「それから、植え変えた地点を私に言う必要はない。いや言ってはならぬ」
 最後の言葉に不審の表情をあらわしたが、有翼人は、命令を実行するために、人間樹園
へ降りて行った。
「さて、このクリスの処理だが」
 シータは独りごちた。
 心理分析機はタリスの深層意識を探り始めた。驚くべきデータがシータに示される。
「この男の深層意識は伺だ。こいつは人間じゃないぞ」
 
シータはタリスの調査を明日、もう一度やりな釦すこと毘した。彼の疲労は著しい。長
い睡眠時間が必要となっている。それにそろそろ「地獄船」が来る時期だ。その準備もしなけ
ればならない。シータは自室へもどり休んだ。


■ガーディアンルポ02「人間樹の星」第3回■(1985年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
http://ameblo.jp/yamadabook
author:山田企画事務所, category:ガーデイアンレポ, 12:14
comments(0), -
ガーディアンルポ02「人間樹の星」第2回
ガーディアンルポ02「人間樹の星」第2回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yama-kikaku.com/


■ガーディアンルポ02「人間樹の星」第2回■
■銀河辺境惑星ナーダ77。至世歴100年


ヘルムとクリスは、やっとのことです船から離れ、かろうじて、安全圏にのかれた。同時に船体は大きな爆発をおこし、ふきとんだ。
爆風がヘルムと、彼の背中のタリスを痙ぎた訟した。ナーダー竹の大気はほとんど地球と変わらない。
 彼らは完全にROWにしてやられた。船がなくなった。つまり、グレイを助けだしたところで、地球へ帰る足がないのだ。おまけに助けを呼ほうにも、連絡手段もない。
 領主の忠実な防衛隊がすぐさまやってきた。有翼人だ。サイボーク技術で加工されたキメラ人間だ。彼らは背に翼を持ち、自在に空を飛びまわることができる。さらに彼らはレイ・ガンを手にしている。
 あたりはナーダ77の砂漠地域だ。隠れようがない。
 ロケットの爆発が、有翼人達の注意をひいたのだろう。さらに有翼入の上には、あのフライング・キャッスルがヘルムの視界いっぱいに姿をあらわしていた。有翼人の守護神のごとく、絶対的々存在感をナーダ77のうすぐらい空の上に与えている。
 わずかな可能性にすらヘルムは賭けなければならない。
絶望的毘、ヘルムはそれらを青い瞳を通してなかめていた。
 力強い羽ばたきと共に、ヘルムの目の前に一入の有翼人が舞い降りてきた。
「何者だ。何用でこのナーダ77にやってきた」
 いささか不明瞭だったが、その有翼人は銀河共通語を話しta

「私はマット。貿易商人です。けっしてあやしい者ではありません。ごらんの通り、船が故障して、不時着したんです」ヘルムが話した。
「ほう、貿易商人だと、、」
他の有翼人達は、上空でヘルムとクリスを油断なくねらっている。
「ここはナーダ77だぞ。ここには『地獄船」しか立寄れない。一般の貿易船はこの星に足を踏み入れようとし忿いし、むしろ恐れている。知っての通り、あの輸出品の分かげで窟ニヤリと笑い、地平線の彼方にある森林らしきものを指さした。顔のうろこが不気味だ。
「さあ、はっきりしろ、お前達は密猟者か、それともあの汚らわしい地虫族と取り引きに来たのだろう。素直に言った方が身のためだそ」
「違います」
「まだ、しらばくれるのか。よし、とらえる前に少し痛い目に会わしてやろう。俺遠の力をみせてやる」
その有翼人は、上空で輸になっている有翼人達の群にまじる。彼らはヘルムを見下し々がら、力強くはばたき始めた。翼はナーダ77の大気をふるわせ、振動波が二人のガーディアンに襲いかかってきた。ヘルムは地面に這いつくぱる。まるで巨人の足に踏みつけられている。体がきしむ。耳の鼓膜か破れそうだ。ヘルムの目の前がくらむ。
その時、ヘルムは自分の体が地中にひきずりこまれていくのを感じた。
気がつくと、ヘルムはスポンジ状のものの上に寝かされている。あたりはひどく暗い。


「客人、目ざめたかね」
声がした。ひどく聞きとりにくい発音たが、銀河共通語には遠いない。そいつは三対の節足を持ち、薄褐色の粘性の肌をしている。身長は一斑くらいだろうか。かまけに胴まわりも】斑くらいある。昆虫を思わせる生物遠がヘルムを囲んでいた。その中の一入がヘルムに話しかけている。
「驚くことはない。ナーダ77に棲んでいるのは奴ら有真人だけじゃないことは、分前さんだって知っているだろう」
彼ら地虫はナーダー]‥の地中に住む種族なのだ。ナーダ77の歴史をふりかえると地虫遠の方が古くからこの星に生息していたのだ。有翼人達は遅れてこの星に出現した。他の星から渡ってきたらしい。
「それじゃ、ここはナーダ77の地下トンネルってわけか」
ヘルムはあたりを見渡した。わずかな光を出す発光体が地下トンネルの壁面に点在している。
「タリスはどこだ」
「お前さんの連れかい。すまない。助けるひまがtかった。地面に脱出口を開け、分前さんを地下トンネルヘ引きずりこんだが、あいにく連れの方は、奴らに空へ引きずりあげられたんだ」
タリスが奴らに連れ去られたと聞き、ヘルムはなぜか体の半分を切り離されたような気がした。
ヘルムは急に弱気になった。
「なぜ、俺を助けてくれた」
「おやおや、聞いていないのかい。そいつはおかしな話だな。あんた方のか偉方から助けるようにだのまれたんだ」
ヘルムはそんな話はガーディアン本部では聞かされていない。
「命令はどこから」
〔地球からガーディアンのクーリエが来たのさ」
乙この星には地獄船しか着陸できないはずだが」
「そこはそれ、色んなやり方があるってもんさ」
とうやら、今はこの地虫を信用するしかないなとヘルムは思った。しかし本部でこの協力者のことを聞いた覚えの々いことか気にかかった。記憶欠落をかこしているのだろうか。
千思議だ。それに地虫達はこの件についてどの程度まで知っているのだろうとヘルムは考える。
「我々の目標のことたが」
「グレイのことか。それがちょっとむつかしいんたよ。とにかく、俺について来てくれ。
入間梅園の現状をみせよう」
 ヘルムは、地下トンネルを地虫の主価格の男のあとについて歩きだした。

「まだ、あんたの名前を聞いていなかった」
 薄暗い地下トンネルを歩きなから、ヘルムは尋ねた。
「俺はスキャツグだ」
「そうか、俺は」
「わかってるよ。ヘルムだろう」
 どうやら、地球本部からの連絡は確かにきているようだ。
 トンネルは大きな構造物に通じていた。
「我々のステーションだ。ナーダ77の地下のあちこちにこんなのを作ってあるのさ」
 中へ入る。かなり広い。一部屋は地球のガーディアン支部とみまちかう程、設備がゆきとどいていた。大きなモニター・スタリーンが装備されている,
「こいつが問題の人間樹だ」
 スキャプグがスイツチをいれた。
 樹海が目の前に拡がる。

しかしこの木々は、恐ろしく正確に等間隔に並んでいた。さら
に地球の樹林のよりに緑色をしていない。うす紫色の空をバプタK、そいつは肌色をしてナーダ77の大地にはりついているのだ。
それは人間の体なのだ。入間の体にある種の処理をほどこし、ナーダ77の樹園の地の植えると、それは漸次、人間の姿形を残しつつ変化していく。体の内部は解体され、異なる生物形態へと改変されていくのだ。
入間に見えなから、入間ではなくなってしまう。
このナーダ77に人間樹とたるべき種人間を連れてくるのかむ軋暇々のだ。彼らは例えば難破船の入間を拾いあげたり、是々を襲って人間をさらってくるのだ。とびきり上等の肉体はサイボーグ手術用として他の是に売られる。がそれ以外の肉体はナーダ77の養殖大地の入間樹園で種人間にされる。

入間樹は段々と大きく成長していき、胴体からはえた肢から果実ができる。その実の中には人間の姿はしたから人間でない新しい生物ができあがっている。主人の言う事を厳守する生物遠の利用価値はそれこそ無限だ。

あらかじめ聞いていたとはいえ、ヘルムはショッタを受けた。はき気がした。
怖気立ち、モニター・スクリーンから目をそらせ、ヘルムはスキャッグに尋ねた。
「グレイはもう檜えられて久しいのか。どうたんだ」
「わからない。在庫品のリストはあのフライング・キャッシスルに住む砂憧入間の頭の中にあるんだ。何しろこの数だ。調べようがない」
「グレイがどうなったか調べる方法はまったくないわけか」

「いや、一つある」
 スキャッグは無表情な複眼をヘルムヘ向けた。
「新しく、地獄船から入荷した品物、つまり入間は、必ず、このメモリー・マンのチェッタを受ける。だからメモリー・マンに近づき、探りだせばいいんだ」
「なんだって! それじゃ俺も入間樹の種入間になれというんだな」
「そう。他に方法はない」
「地獄船か」
「ちょうど、地獄船が来る時期なのだ。ナーダ77に着陸する前に乗りこまなければならない。準備はしてある」
「手まわしのいいことだ」
「いや、本部の指示だぜ。それじゃ、詳しい事は、俺の部下から聞いてくれ」
 弱々しくヘルムが部屋から出ていくのを確かめて、Jキャッグは別のスタリーンを写した。そのスクリーンの入物に話しかける。
「あれでよかったかね」
 スタリーンの中の人物は答えた。
「けっこうだ。スキャッグ。すまないが、もう一つ頼まれてくれないか」
「何でもするさ。あんたKは世話になっているからね。この地下ステーションの建築にも
協力してもらっていることだし。このチャンスに俺達も立ちあがるさ。有翼入とでフライング・キャッスルをこの星から追い出してやる。あの汚々らしい入間樹の栽培を俺達はたまってみているわけにはいかないからな。ここが潮時だ。俺達にも計画があるんだ。助けてくれるだろり」
「わかった。すまんが、その計画を聞く前にやってほしい事がある。ヘルムとタリスのロケットの残骸からこのブラッタ・ボッタスを捜してきてくれ」
スタリーンに小さな箱が写った。
「頼む、絶対に見つけてくれ。非常に大切なものだ」
「わかった。すぐに行ってこよう」
ヘルムは、スキャッグの部下に旧式のロケット発射場へと連れてこられた。
かなり老朽化した個人用タルーザーだ。地球でなら博物館でしかか目にかかれない代物だ。
 スキャッグの部下はあまりうまく銀河共通語を話せない。
「あなた、これ乗る。空へあがる。上へあがり壊れる。宇宙に浮かぶ。地獄船くる。袷う。」
「ひどい話だ。本当に地獄船が来るんだろうな」
「本当の話」
 スキャッグの部下は、急にヘルムの右腕に何かを剌した。
 「何を」
 言葉か出てこない。体力が急に消耗したように感じた。
 ヘルムは地虫の節足にしっかりとつかまえられ、コックピットに無理やり押しこまれた。
スキャッグの部下は旧式クルーザーの発射ボタンを押し、ロケットは火山口から上空ヘ飛びあがっていった。

■ガーディアンルポ02「人間樹の星」第2回■(1985年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
http://ameblo.jp/yamadabook



author:山田企画事務所, category:ガーデイアンレポ, 22:06
comments(0), -
ガーディアンルポ02「人間樹の星」第1回

ガーディアンルポ02「人間樹の星」第1回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yama-kikaku.com/


■ガーディアンルポ02「人間樹の星」第1回■

■銀河辺境惑星ナーダ77。至世歴100年

 下級ガーディアン、ヘルムはようやく頭をあげ、コンソール・パネルを見た。
眼がかす人でいた。まるで体じゅうを、鉛が満たしているようた。
モニター・スタリーンに惑星ナーダ77の姿が近づいているのがみえる。

ヘルムは意識をはっきりさせるために、強化剤を医療携帯パックから取り出し腕にあてる。
 頭をふる。か々り長い間意識を失っていたような気がする。
コックピット内部を初めて目にするような錯覚さえあるのだ。
 かたわらのクリスを見た。
また彼は意識を回復していない。
ヘルムのテレパシーによる呼びかけにも応じない。外傷はたいしたことがないように見えるが、コンソール・パネルの上にうつぶしている。
 ヘルムは、思わず悪態をついた。
「くそっ、ROW奴らめ」
 ガーディアン内部組織にかなりのROWがまぎれこみ、破壊活動を行産っている。
ガーディアンの活動に重大な影響を与えているのだ。
 地球出発時に仕掛けられた小型爆弾が、ガーディアン、ヘルムとタリスの宇宙船のコンパス・システムを狂わ
せ、困難な旅を彼らに強いた。
 もとはと言えば、地球時代の上級ガーディアンの失態が原因なのた。


 グレイは、ガーディアン区分による地球1時代の重要なファタター。
MEの父の父系統に属する人間である。
その彼がROWの精神的攻撃を受け、地球での生活に嫌悪感を持った。
いや、そう思わされたのだ。彼は秘に地球を脱出した。が時代担当の上級ガーディアンは全くその行動に気がつか痙かった。
そのために、ヘルムとクリスの下級ガーディアン2人が、この銀河辺境の「ナーダ77」まではるばるや.でくる事となった。


 至世歴125年、地球にあの偉大々MEが誕生した。MEは絶滅の縁にあった人類を新たな道、栄光の道へと導いた。

 この新生地球人類の前に立ちふさがったのがROWだった。
彼らは新生人類に戦いを挑み、戦闘は果てしなく統くように思われた。
 ROWは、一つの作戦を発動した。
地球の歴史への挑戦、あるいは干渉である。過去の地球ヘタイム・ジャンプを行ない、MEを生みだした祖先の人々を地球史上から抹殺する作戦
である。さらに関連入物や、その環境唾でにも魔手をのばした。一入の人物の精神的変貌、そしてMEの先祖に対する環境因子の変革はMEの生誕をあやうくするものだった。
 このROWの作戦を察知した人類は、MEの家系を守るため、すなわち自分達、新生人類を守護するため、地球の過去へ瀕った。
 人類の発生より、MEが誕生するまでのMEにつらなる人々をROWの攻撃よりガードするため、あらゆる時代へと自ら志願した戦士を派遣した。
この人類戦士達を「ガーディアン」と呼ぶ。

銀河辺境惑星ナーダ77は一風変わった惑星だ。
地球の中世が、まだこの星に息づいている。星すべてを領主一人が支配している。領主の城が凝っているのだ。
 シュクセイキ以前、20世紀ベルギーの画家マグリットの『ピレネーの城』の絵。波の上空に浮ぶ不思議な岩、その上の城。
 まさにその通りだ。
空間に浮かぶ岩、その岩の内部に城が構築されていた。
この岩はーー小惑星といってもいいだろう−ナーダ77の上空を自由に往来できた。「飛ぶ城フライング・キヤッスル」。それはそう呼ばれていた。
 2人の宇宙船は「ナーダ77」の引力圏へ人った。船の外観は隕石そっくりだ。彼らガーディアンが
飛来したことを領主にかぎつけられ々いように処置してあるのだ。

 激しい衝撃が二人を襲う。船はナーダ77の地面に激突し、大地にのめり込んだ。この船の機能はどうやらROWの爆弾のおかかげて、ずたずたにされているらしい。

 ガーデーアン内部にROWのスパイが多数潜入している事実が本部で周知の事となってすでに久しい。ROWの擬態技術は超一流なのだ。人間そっくりに変化できるのだ。
 ヘルムとタリスの乗った船も工作されていた。もちろん、これからの行動も妨害される可能性がある。
しかし、彼らは、グレイを助け出し、地球に連れもどさねぱならない。

そうし々けれぱ未来にMEが存在し々くなる。
地球史が変わり、ヘルムもクリスも存在しなくなるだろう。
金髪長身のクリスはいまだに意識を回復していない。ヘルムは彼の体をコンソールミハネルから引きずりかこす。念のため体を調べることKした。ロケット後部に装備されている医療チュープヘと運ぶ。この中で自動的にクリスの休は隅々まで調べられ、適切な処置を受けることかできるはずだ。
唐突に、船内のシグナルが点滅し、コンピューターから警報がはせられた。

「コノ船ハROWニ汚染サレテイルー危険ダ・乗員ハタダチニ脱出セョ」

ヘルムは医療チューブごとタリスを引きずりだそうとした。
しかしチューブは徽動だにしない。船内に警告がくりかえされる。ブザーが鳴り始める。
  「週船セヨ、退船セヨ」
クリスをチューブから出そうとする。今度はチューブの開閉機構が作動しない。急いで船外へ説出し痙ければ々らない。
どこにROWがいるのたろうか。明滅するランプはフネの自爆時間が迫っていることを示している。
ヘルムはレイ・ガンを使い、やっとのことでタリスをチューブから引きずりたす。宇宙服を着る間ももどかしく、タリスを背負い、ハッチヘと向かった。

■ガーディアンルポ02「人間樹の星」第1回■(1985年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
http://ameblo.jp/yamadabook
author:山田企画事務所, category:ガーデイアンレポ, 23:32
comments(0), -
ガーディアンルポ03「洪水」第8回-完
[ ガーデイアンレポシリーズ ]
■ガーディアンルポ03「洪水」第8回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/

■ガーディアンルポ03「洪水」第8回■

■11
 僕、カインが、目をさますと、知らない人達が、僕の顔をのぞき込んでいた。
「大丈夫か地球人よ」
「あなた方は」
「君達を助けるために来た宇宙人、LS星人だ」
 遅かった。もう少しても早ぐ来てくれたら、弟アベルは助かっていたろう。たった一入の弟、アベル、たった一人の肉親、そして僕が生きていくためのパートナ。
僕はぼんやりと考えながら、その宇宙船の内部をながめていた。
 「所で、君は犬洪水をもたらした放射線の熱射か、外部の要因だと聞いたら驚くかね」
「外部からの要因?どういうことですか」
「ROW星人の仕業なんだよ。この災害はね」

災害だって、災害にしてはひどすぎるじゃないか。
「ROW星人は自分達の住みやすい星を発見すると、自分達の具合のよいようにその星を改造するのだ」
 ぐそっ。痛い。
体じゅうがうめき声をあげていた。まるで地獄の炎に焼かれているようた。おまけに、こんな話を生き残った僕一人だけが聞かなければならないなんて。
「君の体の傷は、残念だが非常に重い。君はその地球人の体でいる事は不可能だ。だが我々の提供する別の体に移しかえることができる。我々はROW星人を妨害しようとした。しかし彼らの力の方が、残念なから優れている。
我々は君達人類に警告しようとした。しかし我々の乗物を見て、君達はUFOと呼び、怖れ、その存在を否定した。我々の存在を君達は信じようとしなかった」
僕は苦しい息の下で尋ねた。
「ROW星人はいつやってくるのですか」
「わからない」
僕は決意した。奴らに復讐してやる。僕の地球。僕の家族、友達を殺し、滅ぼした奴らに復讐してや  る。何年でも、何世紀でも待ってやる。
でもこの痛々しい体では。苦しい。待てよ。彼らは別の体をくれると言っていたな。
「別の体をくれるといっていましたね」
「そうだ」
「僕カインを、箱舟にしてドさい。どんな体でも可能なのでしょう。あなた方の科学力をもってすれば」
「箱舟か。カイン君は、この地球にまだ生きているかも知れない人々を助けるつもりかね。そしてROW星入を待ち続けるつもりか。彼らと戦うのか。何世紀先になるかわからないぞ」
彼らLS星人は、相談しているよりたった。

どうでもいい。早くしてくれ。お願いだ。
[わかった。我々はカイン君に賭けることにする。伺世紀か先、君がROW星入に出会った時、どうするかか。君にすばらしい体を与えよう。Row星人と戦うためにね」

手術が始まった。

闇の中で僕は考え始める。
放射線は神の怒りの剣てなかったかと。最後の審判では なかったか。我々人類は今まであまりに傲慢ではなかったろうか。ROW星人のしわさてはなく、神の、我々が神と叶ぶものによってこの災害がもたらされたら、我々はそれが自らの罪と認め、進んで死についたかも知れない。

自分で、自問自答している自分がいやになる。
ちえっ、伺て弱気たんだ。お前カインは。僕は自分自身の気弱さにいらたち始める。
これから何世紀も待ち続け互ければならないんだ。ひょっとしたらROW星人はこないかも知れない。だが、、それが何んだ。僕は必ず復讐してやる。もし箱船のゆえに、この地球を離れることができないなら、新しい人類を僕自身「箱舟」の体の中で進化させ、人類戦士として彼らを宇宙にはばたかせるのだ、ROW星人と戦うために。

考える時間は充分にあるのだ。僕の体は、ばらばらに分解され、彼らの科学力をもって作りあげられたすばらしい箱船という体に、僕の神経系や脳組織が移植された。
手術は終わり、僕は箱船として、この荒れはてた地球を、いや、いまや大海原の星を、漂い始めた。
人間を探すのだ。そして僕の体の中で、彼らを人類戦士として進化させるのだ。
いまに見ていろ、ROW星人め、いつの目か、僕カインの地球にやってきて手強い敵に出会うことになるのたぞ。

■12
 アベル弟も助けられていたのだ。気がつぐのに何世紀もかかった。弟は同じ宇宙人によって「主」に変えられていたのだ。破壊をまぬがれていたビッグコンピュータシステムと連結した体となり、地球を支配しようとしていた。彼は彼なりにROW星人と戦うために準備をしていたのだ。何んと長い別離だったのだ。お互いに、すぐ側にいながら、変わり果てた姿で、お互いがわからなかったのだ。
 僕たち二人、カインとアベルは、互いに協力し、ROW星人を待つことにする。
ム=ウムについて言えば、彼はこの新しい地球の真世紀のアダムとなる。彼は自らの手でこの地球をエデンの園にかえなければならない。もちろん弟と私の手前けが必要だろう。

 僕は海原を再び遊弋し始める。傷もいえた。
ROW星人よ、やってこい。ここ地球には、強力な敵がいるのだ。
地球の夜空は暗いが、希望の星々が輝いている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■13
             
『本星LSへの報告。
 我々の地球に対する第四段階の作業は完了した。
敵星「ROW」に対する防備は、地球に関する限り完璧といえるだろう。「フネーカイン」及び「主ーアベル」による防備体制である。
 これにより我々のROWに対する戦いは、非常に有利になると考えられる。
彼らフネ及び主は、我々LS星人が、完全に人類の味方たと信じこんている。
全宇宙をめぐる我々LS星人と、敵「ROW」との戦いの一部だとは、地球人類は知らない。以上、本部への連絡を終了。

          地球方面派遣軍LS星軍情報部          
              J・N・リーマ大尉」

(ガーディアンルポ03「洪水」完)
■ガーディアンルポ03「洪水」第8回(1979年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
http://ameblo.jp/yamadabook
author:山田企画事務所, category:ガーデイアンレポ, 15:53
comments(0), -