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遙かなる絆-ランナー第17回
遙かなる絆-ランナー第17回
(1986年作品)地球防衛機構(EDO)シリーズ
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・Manga Agency山田企画事務所
ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」
「マンガ家になる塾」ドリル

 マコトの体は、レーザーの光を受けた瞬間炎に包まれた。
それは速度を増し、アムラーピラミッドヘ激突した。
とみる間に、その炎はアムラーピラミッドの中に吸い込まれていく。
 ついに聖火は、月のアムラーピラミッドに届いたのであった。
 サムナーはまだ生きていた。
一部始終を見た彼は、すべてを理解した。
聖火はマコトだったのだ。
そして聖火ランナーはヘルムというわけだ。
 サムナーの体を高速レーザー砲の光条が貫いた。

「どうやら聖火が届いたようだ」
マニが告げた。
アムラーピラミッド玄室内空間に、大きな映像が浮かび上がってきた。
映像として、地球が浮かび上がっている。
小さな爆発が地球のあちこちで、ゆっくりと起こり始めていた。

「ムニ、貴様、何を自分の部下「フイダイ」たちににさせた」
「おわかりの通り、核爆発だ。私の手の中にあるフイダイを使って特攻させた。
世界中にあるすべての核兵器を、爆発させた。すべての人類はね。自分の手で滅ぶんだ。
いやもうほろんでるかも知れんと言っていいかもしれない」

「いやはや、まだわかっていただけないのかね」
「私は、地球を始原の状態に戻している。地球と月が一体化した。大いなる昔にね」
「地球を「リセット」した。つまり地球を滅ぼして、新しい星と生物を生む」

オットーは、滅びつつある地球人類の中覚醒した人たちは、
自分たち生物の昔の記憶がよみがえる。
のみならず理解していた。
遠くからの恒星から来た星人が、一つの星を二つに分けた。
一つは地球となり、一つは月となった。
もともとが、地球と月は、一つの惑星なのだった。

地球の上で人類が進化し、宇宙へ乗り出そうとした創造者であった生命体は、
その地球の人類の姿を哀れんだ。

●ロードランナー、ヘルムリッカートの意識は、「星間戦争」を思い起こしていた。
そのなかで彼が被弾し、生き残るのった誰のおかげだったのだろうか。
そして地球のロードランナーとしての能力が足り与えられたのか、
リッカートという自分は、何かのパーツであり、使命を与えられた者であった意識が芽生え始めていた。

ロードランナーとして、初めて地球から月へムーンウェイも自分の力で走りきった。
その栄光は何のためだったのだろうか。
防衛組織を作った地球人類。それが消滅しようとしていた。

●マコトの意識は、2017年のエジプトカイロにおける「フイダイの襲撃」を思い出していた。
うす汚れた民族服を着た二人の人間たちがの方たちをはじめとする。
EDOのエスパー部隊達のいる研究所に、爆弾を投げつけた。

●サムナーの意識もまた。炎の中で、自分の役割を思った。

何故にサムナーはマコトと、ヘルムにカートと、解決しなければならなかったのか、
他に更に何故に、長官オットーは。何のために、自分を送り込んだのか、
ついには、スペースシャトルが攻撃一つ使われたのか、
そもそも、月のピラミッド、アムラーピラミッドは何だったのか、


65億の地球人類の意識は、滅び行く中で、自分たち人類の未来をそれぞれに理解した。
この新しい、いわば「新地球」の上で、新たな生命として転生することを期待した。

その瞬間は、地球のすべての宗教が持つ「煉獄と地獄」として、最終的には、「天国」
を思わせるものであり、生命体としての滅亡の不安を解消しょうとしていた。

アムラーピラミッドとは、「意識の時間装置」だったのだ。
「マコト」という生命体が、「聖火」として地球から届いたとき、生成装置が発火したのだ。


その方法は地球人類の聖者と呼ばれる人々が、存在した。
イスラム教指導者のマニは、1956年から、フイダイを作り上げていた。

一方、地球をこのまま形式で保存しょうとする生命体がいた。
彼らは、自分たちの地球人類の生命を守る組織を作り上げた。地球防衛機構EDOである

「オットー、君にも私の立場は分かるはずだ。ただ君は先住民のといたからだ。
私は、私の名は時の旅人。
君たちの人類、中国に諺がある。「邯鄲の夢」というものだ。
それとは一瞬の時になる。、君たち人類の長い歴史も、
全宇宙の流れる中で、くらべてみれば。それは一瞬にすぎないのだ」

(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・Manga Agency山田企画事務所
ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」
「マンガ家になる塾」ドリル
author:山田企画事務所, category:SF「ランナー」, 17:16
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遙かなる絆-ランナー第18回ー最終回(1986年作品)
遙かなる絆-ランナー第18回ー最終回(1986年作品)
地球防衛機構(EDO)シリーズ
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
http://www.knowledge.ne.jp/lec1379.html


「マコト、君の長い間の眠りをどうだった」
導師マニ、マコトの意識にたづねる。
「マニ導師、あなたは私の夢に現われました」
「そうだ。君を、この世界地球人類のメモリカードとしょうとした。
長い地球の歴史の記憶脳として使おうとした」
「私が、全人類の歴史をどのように滅んだのかを見届けるのですか」
「いや、君には、新しい人類の誕生を見てほしい。それから、あちらの世界へ
「ジャンプ」してほしい」
マニは、続けた。
「そこでにリッカート、サムナー両君たちにも役目を与える。マコトを守って、同じような同じようにジャンプ
をしてほしいのだ」
「君達が聖灯マコトを、ここに運んでくれたのは、予想外の健闘であった。
君たちにも「ジャンプ」してほしい」
「ジャンプ先かね。そこは、人類が長くに夢見た「天国」というところだ」

 アムラーピラミッドが大きく膨脹したように見えた。
さらにピラミッドの地下から振動が始まり、やがて振動は月全体に拡がり大地震となった。
 アムラービラミッドは大きな光条を放ち始め、その光は月全体を被った。月は光球となった。

 月と地球が相互に引き合っていた。ムーン=ウェイが、まるできずなのように見えた。
 月と地球が互いに近づいていく。

地球の上にも、原爆爆発以外の大変動か起こり始めていた。
火山は噴火を始めている。海
の水は沸き上がる。大地は振動し始める。建物は倒壊し、人々は逃げ感う。

 地球は、まるで天地創造の時のようであった。あるいはこれが『審判の日』なのであろうか。
 EDO長官オットーであった者は、自らの分析の甘さを恥じていた。
この判断の甘さが、人類の滅亡を招いたのだ。
 地球と月の表面は最後には接触した。
が爆発は起こらない。静かに融合し始めた。まるでお互いが溶
け、交じりあうようであった。数日後、宇宙空間に新しい星が、生まれていた。
その星は何と呼ばれるであろうか。それに答える旧人類はもう生息していない。

「聖なる火が、二つの世界を焼きつくし、やがて、二つの世界は一つになる。
これは元々、一つの世界であり、新しき一つの世界では、平和は満ちあふれるであろう』

 爆発の瞬間、バラバラに吹きとんだヘルムの片腕の金属はくるくると回りながら、この新しい星の成
分へと同化していく。
火の中にいる生物らしきものが、その金属を指さした。
その瞬間それは、情報がつまった新しい金属片となり、タイムジャンプした。
その金属片は2016年の宇宙空間を漂っていた。

 月のピラミッドと一体化したマコトの魂は、この新しい世界の中で浮遊していた。
この魂を再び火の中にいる生物が指さした。
 マコトという魂を持った子供となって、2016年にタイムジャンプした。
それと同時に植民船の残骸も2016年に送り込まれた。
 マコトであった者は、ムーンウェイ内でのシャトルトレイン爆発事故が、自らの超能力がおこしたもので
あったとは最後まで気づいていなかった。
 この火の中で、盛んに蠢く新生物、新人類は、昔の旧人類の進化した姿であった。
(完)1986年作品
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
http://www.knowledge.ne.jp/lec1379.html
author:山田企画事務所, category:SF「ランナー」, 17:21
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遙かなる絆-ランナー第17回
遙かなる絆-ランナー第17回
(1986年作品)地球防衛機構(EDO)シリーズ
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
http://www.knowledge.ne.jp/lec1379.html



 マコトの体は、レーザーの光を受けた瞬間炎に包まれた。
それは速度を増し、アムラーピラミッドヘ激突した。
とみる間に、その炎はアムラーピラミッドの中に吸い込まれていく。
 ついに聖火は、月のアムラーピラミッドに届いたのであった。
 サムナーはまだ生きていた。
一部始終を見た彼は、すべてを理解した。
聖火はマコトだったのだ。
そして聖火ランナーはヘルムというわけだ。
 サムナーの体を高速レーザー砲の光条が貫いた。

「どうやら聖火が届いたようだ」
マニが告げた。
アムラーピラミッド玄室内空間に、大きな映像が浮かび上がってきた。
映像として、地球が浮かび上がっている。
小さな爆発が地球のあちこちで、ゆっくりと起こり始めていた。

「ムニ、貴様、何を自分の部下「フイダイ」たちににさせた」
「おわかりの通り、核爆発だ。私の手の中にあるフイダイを使って特攻させた。
世界中にあるすべての核兵器を、爆発させた。すべての人類はね。自分の手で滅ぶんだ。
いやもうほろんでるかも知れんと言っていいかもしれない」

「いやはや、まだわかっていただけないのかね」
「私は、地球を始原の状態に戻している。地球と月が一体化した。大いなる昔にね」
「地球を「リセット」した。つまり地球を滅ぼして、新しい星と生物を生む」

オットーは、滅びつつある地球人類の中覚醒した人たちは、
自分たち生物の昔の記憶がよみがえる。
のみならず理解していた。
遠くからの恒星から来た星人が、一つの星を二つに分けた。
一つは地球となり、一つは月となった。
もともとが、地球と月は、一つの惑星なのだった。

地球の上で人類が進化し、宇宙へ乗り出そうとした創造者であった生命体は、
その地球の人類の姿を哀れんだ。

●ロードランナー、ヘルムリッカートの意識は、「星間戦争」を思い起こしていた。
そのなかで彼が被弾し、生き残るのった誰のおかげだったのだろうか。
そして地球のロードランナーとしての能力が足り与えられたのか、
リッカートという自分は、何かのパーツであり、使命を与えられた者であった意識が芽生え始めていた。

ロードランナーとして、初めて地球から月へムーンウェイも自分の力で走りきった。
その栄光は何のためだったのだろうか。
防衛組織を作った地球人類。それが消滅しようとしていた。

●マコトの意識は、2017年のエジプトカイロにおける「フイダイの襲撃」を思い出していた。
うす汚れた民族服を着た二人の人間たちがの方たちをはじめとする。
EDOのエスパー部隊達のいる研究所に、爆弾を投げつけた。

●サムナーの意識もまた。炎の中で、自分の役割を思った。

何故にサムナーはマコトと、ヘルムにカートと、解決しなければならなかったのか、
他に更に何故に、長官オットーは。何のために、自分を送り込んだのか、
ついには、スペースシャトルが攻撃一つ使われたのか、
そもそも、月のピラミッド、アムラーピラミッドは何だったのか、


65億の地球人類の意識は、滅び行く中で、自分たち人類の未来をそれぞれに理解した。
この新しい、いわば「新地球」の上で、新たな生命として転生することを期待した。

その瞬間は、地球のすべての宗教が持つ「煉獄と地獄」として、最終的には、「天国」
を思わせるものであり、生命体としての滅亡の不安を解消しょうとしていた。

アムラーピラミッドとは、「意識の時間装置」だったのだ。
「マコト」という生命体が、「聖火」として地球から届いたとき、生成装置が発火したのだ。


その方法は地球人類の聖者と呼ばれる人々が、存在した。
イスラム教指導者のマニは、1956年から、フイダイを作り上げていた。

一方、地球をこのまま形式で保存しょうとする生命体がいた。
彼らは、自分たちの地球人類の生命を守る組織を作り上げた。地球防衛機構EDOである

「オットー、君にも私の立場は分かるはずだ。ただ君は先住民のといたからだ。
私は、私の名は時の旅人。
君たちの人類、中国に諺がある。「邯鄲の夢」というものだ。
それとは一瞬の時になる。、君たち人類の長い歴史も、
全宇宙の流れる中で、くらべてみれば。それは一瞬にすぎないのだ」

(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
http://www.knowledge.ne.jp/lec1379.html

author:山田企画事務所, category:SF「ランナー」, 17:19
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遙かなる絆-ランナー第15回
遙かなる絆-ランナー第15回
(1986年作品)地球防衛機構(EDO)シリーズ
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
http://www.knowledge.ne.jp/lec1379.html


地球にある、地球防衛機構(EDO)本部で、EDO長官オットーは、命令を出していた。
「カイロにいるエスパー部隊で呼び出せ!
。とりわけ「ジャンプ」能力に優れたもの。ここの司令部に呼び出せ」
「わかりました。彼らをこの本部に、自分自身をジャンプさせるのですね」
「ジャンプ」とは、空間移動をいう。

別の係官が報告する
「長官、しかしながら、世界のいる「フイダイ(死の天使)」たちが。不安な動きをしているという連絡が入ってきております」。
「何だと」
「いわば同時テロと思われます」
続けて。
「そのテロ、ターゲットは、世界各地に存在する原子爆弾給料倉庫に」
「通常の倉庫は。フエイルセイフが行われていて、核融合は不可能ではないのか」
「それに対する、解除装置対応を行なっている模様です」

本部ジャンプベースに、カイロから、ジャンプしてきたエスパー部隊の隊員が、現れ始めていた。

彼らを前にして、宇宙服を着たEDO長官オットーは、明らかに興奮し、命令を出していた。
「私の体を、月のアムラーピラミッドにジャンプさせるのだ」
「長官、それは、危険ではいませんか」
「今はその論議を言ってる場合じゃない。そのテロをやめさせるためにも私が、アムラー内部にいかねばならん」
「やれ、ジャンプさせろ!」
長官オットーの姿は、本部から、消えていた。

跡に残った、エスパー部隊隊員は、すべてをその能力を使い切り、消耗し、全員が息が切れていた。

多くのエスパーの精神的なエネルギーを持って、
長官オットー、は「ジャンプ」を行い、アムラーピラミッド内部に、たどり着いていた。

ピラミッド内部玄室の中で、昔懐かしい「マニ」が実体化し、オットーを、
古い友人を迎える口調でいった。
「オットー。君は世界の王になろうとしたね。何を目的として?ええっ犠牲はどれだけだせば気が済むのだね」


■サムナーはヘルムの側を駆けながら答える。
「サムナー、俺は速度を上げるぞ
「待て、いいものがある。ただし,マコトのテレポーテーション能力が必要だがな」
「サムナー、いったいこの軌道内に何を入れるつもりだ・」
 メースチングクレーターの軌道出口から、大きな発射音が響いてきた。
 そこから飛び出してきたのは「シャトルトレイン」ならぬ「ロケット艇」である。

 EDOの連絡で待ち構えていた、連邦軍の集中砲火を浴びたロケットは大爆発をおこす。
 「ようし、残骸をしらべるんだ」
 しばらくして連邦軍の隊長がいった。隊員がロケットの残骸の方へ近づいていく。
 その間隙をぬって、残骸の中から、マコトを背負ったヘルムが走り出していた。
マコトのバリヤー能力で彼らは爆発から身をまもったのだ。
彼の速度なら、アムラービラミッドまで数分である。が、アムラーピラミッドまでの道には連邦軍があらゆる火器をしきつめていた。
 やや遅れて、サムナーが残骸から現われ、二人を援助するため、ハンドキャノンを射ちまくりながら
走る。が、全力疾走のヘルムと速度が違う。二人はずっと先を走っている。
 ヘルムの過去の試合のVTRがEDOの情報悩に入力され、彼の走る行動パターンが分析されていた。
その分析結果が、月に設置された連邦軍の高速レーザー砲の照準器に送り込まれていた。
データには月の重力の影響が計算されtいる。
高速レーザー砲のすさまじい速射がおこる。
アムラーピラミッド目前、数千m‘まで走っヽていたヘルムの体をレーザーの光条が走り抜けた。
「ぐっ」
「ヘルムー」
マコトが叫ぶ。
彼の生体維持装置は、この一速射でほとんど機能を停止していた。
しかし、ヘルムの体はまだ走っている。
ヘルムは最後の力をふりしぼり、マコトの体をかかえあげると、アムラービラミッドの方へ高く投げた。
 マコトも疲労で意識が原朧としていたが、アムラーピラミッドヘのわずかな距離をテレボートしよう
とした。
その瞬間、マコトの体を速射レーザー砲のレーザー光条が突き抜けた。
 「マ・コ・ト」
 ヘルムはもう眼がほとんどみえなかった。
しかし、ヘルムは走りながら、マコトが射たれたのを感じ
た。ヘルムの体に再び、高速レーザー砲の光条が射ち込まれる。

(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
http://www.knowledge.ne.jp/lec1379.html

author:山田企画事務所, category:SF「ランナー」, 16:51
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遙かなる絆-ランナー第14回
遙かなる絆-ランナー第14回
(1986年作品)地球防衛機構(EDO)シリーズ
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
http://www.knowledge.ne.jp/lec1379.html


■遙かなる絆-ランナー第14回
EDO長官オットーは怒りを感じさせる口調でいった。
ムーン=ウェイ、出口メースチングのクレーターの軌道最後のユニットに ヘルムとマコトはいる。

「ヘルム君、我々の提案には応じられないというわけだね。残念だ。我々は君を生かしたいんだ」
「ありかたい言葉だが、遠慮するぜ。俺の今の目標は、月のメースチングクレーターまで走り抜くこと
なんだ」
 走りながら、ヘルムは答える。
「ありがとう、ヘルム。これをあずかっておいて」
 マコトが、背中からヘルムに古い紙を渡す。
中には今までヘルムか見たことのない文字か書かれている。
 ヘルムは少し速度をおとし、首を振り向けながらマコトに尋ねた。
 「何だ、この紙は」
 「僕のカタミだよ」
 「カタミだと、不吉なことをいうな。君を、必ず俺が、月まで送り届けてやる。
約束するぞ」

「いいぞ、兄弟」
 オットーとは別の声が前方の方から聞こえてきた。
ヘルムはゆっくりと止まり、腕のサイドポケットにマコトからあずかった紙をいれた。
 人の影が、ヘルムの視野にはいってきた。
「誰だ」
 ヘルムは叫んでいた。
「ヘルム、俺だ」
「どうしたんだ」
サムナーの姿がそこにあった。
「お前」
「お前さんを助けるために来だんだ」
「何だと?」
ヘルムとサムナー二人は、肩を並べて駆け出す。
 モニターCRTを見ていた地球上のEDOの連中は、サムナーの出現に驚いていた。
「サムナーだ。あいつは何を考えているんだ」
 フリッツ局長が叫んでいた。

「構わん。フリッツ、早く、ムーン=ウェイユニットごと奴らを爆破しろ」
 オットー長官が怒りながら発言する。

「しかし、サムナーがいます」
「構わんといっておるだろう、テロリストハンターの一人や二人、死んでも構わん。早く爆破しろ」
ロードランナー、ヘルムと、EDOに属するテロリストハンター、サムナー、そしてヘルムの肩の
サイコテレパシスト、マコト。彼ら3人のために、地球から月への、ムーン=ウェイを破壊するという。
それは、建設に10年かかった地球の財産なのだ。

EDOにある操作卓の爆破スイッチは押された。

が、爆発はおきない。


「ユニットに付着した核融合剤の事は心配するな。俺があらかじめ、信管を俺の目、レザーアイで焼ききっておいた」
サムナーがにやりと笑う。
「すまん、サムナー。しかし、なぜ俺達を助けるんだ」
「お前達の心意気に感動したからだ。というとキザかな。どうせ俺の体もそう長くはもたん。俺も何か
歴史に残ることをやってみたかっただけだ」
サムナーがヘルムに言った。

(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
http://www.knowledge.ne.jp/lec1379.html

author:山田企画事務所, category:SF「ランナー」, 16:48
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遙かなる絆-ランナー第13回
遙かなる絆-ランナー第13回
(1986年作品)地球防衛機構(EDO)シリーズ
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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■遙かなる絆-ランナー第13回
数日が経過していた。
地球は。死の天使(フイダイ)の暴動のおかげて、各地で火が燃えあかっている。
 ロードランナー、ヘルムといえば、マコトを背負って高速度に近い自らの足で、
月へと驀進していた。
がエネルギーか不足し始めている。

地球防衛機構(EDO)テロリストハンター、 サムナーは、ムーン=ウェイの
外壁にぷらさがって数日たっている。
作業ポ。ドからはい出したのだ。
 サムナーの前を、宇宙艇が月へ向かって進んでいくのがみえる。
 サムナーの体からは、救難信号が発されている。
 船は気づき、サムナーの方へ近づいてくる。

 マニュビレーターにより、サムナーの体は艇内へ運びこまれる。

 この艇は、地球連邦軍のものだ。
サムナーの様子を見に来た男は地球連邦軍技術将校の制服をつけている。

「何だ、貴様、サイボーグか。ムーン=ウェイにぶらさがっているとは、きさまは何者だ。
作業ロボットではあるまい」
 「EDO(地球防衛機構)の者だ」
 サムナーは割れた声で言った。

「EDOの者が外壁で、何をしていた」
「それに答える必要はあるまい。軍とEDOとは別組織だからな」
「何! それが助けてもらった者に対する言葉か」
「助けてくれとお願いしたわけではない」

「このくされサイボーグめ」
 将校は、サイボーグ公社ナンバーを調べるために、乱暴にサムナーの体にさわろうとした。
 「ぐわっ」
 サムナーの体は再び、白熱していた。
衝撃で将校の体は吹きとばされる。
 「どうした」
船の操縦席からあわただしく男が走ってくる。
 サムナーの体はまだ、動けない。
男は、倒れている将校を見て、レイガンを引き抜こうとする。
サムナーの体から超電磁波が流れ出す。
の体は瞬時に黒コゲとなった。
サムナーはほくそえみ、独りごちた。
「ふふ、どうやら、この艇は俺のものになったようだな。それにこの艇は月のメースチングクレーターヘ向か
かっているらしい。先に行っているぞ、ヘルム、マコト」
二人の名前を呼んだ。


 Z89は、軌道内の清掃を目的として作られたロボットだった。

軌道内に異物があった場合、シャトルトレインを危険にさらす事になる。
Z89は異物除去に必要な装置を持っていた。
 Z89のセンサーは異物の存在を先程からとらえていた。
これ程大きい異物はZ89にとっても初めてであった。
おまけにそいつらは生体反応かあるのだ。

このような場合、通常Z89は中継ステーションに連絡を取るのだが、
先刻からステーションとは通信がとれなくなっていた。
Z89にとって初めての試練であった。自分で判新しなければならない。
過去のデータからして破壊、もしくは除去すべきであろう。
こうZ89は類推した。

 マコトとヘルムは巨大な機械が目の前に現われたのに驚いていた。
マコトはこの機械に交信しようと試みた。が、機械はマコトのテレパシーには
まったく反応しない。おまけに敵意が感じられるのだ。危険だ。
 「逃げろ、ヘルム、あいつは軌道内部から、僕達を除去するつもりだ」
 Z89は、その四肢をのばし、全軌道をふさぐ大きさに拡大して、二人の行く手を塞いだ。
 ヘルムの足は、・瞬間停止ができなかった。
加えてマコトのテレポートも一瞬、遅れた。
 ヘルムはマコトを背負ったまま、軌道内でZ89に激突する。
ヘルムとZ89の体は共に、激しいショックを受け、反動で吹き飛ぶ。

マコドは軌道に倒れた時、Z89の体内エネルギー構造を読み取っていた。
 まだ、ショックで倒れたままの傍らのヘルムに言った。
 「喜んでと、ヘルム。このロボットのエネルギーは、君の体に適応するよ」
軌道最後のユニットだった。

これを走り抜ければ、あとはメースチングクレーターの出口なのだ。
 その時、重々しい声が上から響いてきた。

 「ヘルム君、聞いているかね、私はEDO長官オットーだ。ごくろうだった。君は驚嘆すべき男だ。我
々は偵察衛星をつかーい、君たちめ行動をずっとモニターしていた。さて、今君がいるこの最後のユtニッ
トの外壁の表面に核融合剤が付着されている。我々がスイッチをおせば、ユニットもろとも君たちは噴
き飛ぶ。」

EDO長官オットーはしばらく黙り、やがて口を開く。
「しかし、ものは相談だ。ヘルム君に提案しよう。おとなしくマコトを我々に渡したまえ、そうすれば
君は生きてこのムーン=ウェイから出れる。恐らく、君がこのムーンウェイを走破したということは
長く記録に残り、世界は君にすばらしい特典を与えることだろう」
 「話にならないな。EDOか何か知らないが、いいか、俺はロードランナーだ。走ることそれ自体が俺
の名誉なのだ。そして俺はこのロードランナーになった瞬間から、あらゆる権力という代物と戦ってき
たのだ。いまさら妥協などできない。たとえ、爆死しようと最後まで走り続ける。それが俺のーロードラ
ンナーとしての誇りなのだ」

(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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http://www.knowledge.ne.jp/lec1379.html
author:山田企画事務所, category:SF「ランナー」, 16:45
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遙かなる絆-ランナー第12回
遙かなる絆-ランナー第12回
(1986年作品)地球防衛機構(EDO)シリーズ
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
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「ぐわっ」
 サムナーはひっくり返り、外壁上でのたうつ。
サムナーの体からエネルギーがはとばしっている。
サムナーの体は白熱化していた。
「どうしたんだ、サムナー」
http://www.knowledge.ne.jp/lec1379.html
く、言われたとおりにしよう』
 マコトの念動力によって、三人は作業用ポッドの中に入ることができた。

サムナーの体は、しかしまだ勤けない。
 「これからどうする。ヘルム」                            ’
 とマコトは心配そうに尋ねる。
「もう残りはわずかだ。‘俺としては走り続けよう」
 途中かち、わりこむように、サムナーが言った。
「やめておけ、それよりこのポッドを使い次の作業ステーションまで進むんだ。
作業ルート内の自己防禦システムが作動している。どんな敵が現われるかわからんぞ」
「ヤツの言う事は信じられるか、マコト」
「本当の事を言っているようだよ」
「が、残念ながら、この作業用ポッドの燃料は限られている」
 サムナーが言った。
「とりあえず走る所まで走ってみよう。サムナー、悪いが、君をここに残していくぞ」

「わかった。それが一番いいだろう」
 テロリストハンター、サムナーはまだ元の調子をとりもどしていない。
「もう燃料がきれかけている。とりあえず、この近くの作業用ハッチに繋留しておこう」
 作業用ハッチから、作業用回路へ入り、さらに軌道内に戻る。
「それじゃ、マコト、走るぞ」
 ロードランナー、ヘルムはマコトを肩に、伝説の中へと、ゴールへとその最後の走りを始めようとした。
(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
author:山田企画事務所, category:SF「ランナー」, 16:43
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遙かなる絆-ランナー第11回
遙かなる絆-ランナー第11回
(1986年作品)地球防衛機構(EDO)シリーズ
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
http://www.knowledge.ne.jp/lec1379.html

 ヘルムはしばらく考えていた。
 「サムナー、俺からの提案だ。軌道外でお前と戦おう。もし俺が敗れても、この子だけは助けてくれ」
 「その子のことは考えておこうっ。いずれにしても、俺とお前は対決する宿命にある。いいか、お前は有酸素型サイボーグ、俺は外宇宙でも動ける併用型エネルギーサイボーグだ。勝敗は明らかだ。今ここで投降するなら考えんでもないぞ」

 「サムナー、おまえにはEDOの対テロリストサイボーグとしての誇りがあるだろう。
それと同じように俺にも誇りがある。ロードランナーとしての誇りがな。
俺はムーンウェイの中をここまで走ってきた。のべ、十五万キロだぞ。
今までどんなロードランナーも走ったことのない距離だ」
 「よし、わかった。お前はここでそのロードランナーの誇りと共に死ね。
墓碑銘は俺が書いててやる。その子は、俺が持ってきた携帯用救出カプセルにいれておくんだ」

 ムーン=ウェイ軌道の脱出用ハッチから、ヘルムは外宇宙へ出た。

月と地球を結んでいるのがよく見える。
二人はムーン=ウェイ軌道「クサカベ」の外壁上に立っている。

有酸素サイボ−グであるヘルムは宇宙服を着ていた。動きが緩慢になるというハンデがある。

 「ヘルムよ。フェアプレイだ。俺の武器は全部ここにおいておく」
 サムナーは自分の休に隠されているあらゆる種類のウェポンを出し、ヘルムに対峙した。
サムナーは彼の癖で、連絡通信を受ける「受光基キャプスター」を全開にしている。

 肉弾戦であった。

 ヘルムは、体ごとサムナーにぷつかっていく。ゆうゆうとサムナーはよける。

 「どうしたロードランナー。なんだその動きは」

 サムナーはヘルムの足を狙っている。
足をねじりとってしまえば、ヘルムは動きをとれない。
サムナーはヘルムの足をとろうとするが、ヘルムの恐るべきロードランナーのキックカ
無妨備なサムナーのわき腹を直撃していた。

 サムナーはふきとび、ムーン=ウェイ外から飛ばされそうになる。
ムーン=ウェイ軌道外壁突起物の端につかまる。
ヘルムの宇宙服を着た足が再び襲ってきた。
その足をサムナーはつかまえる。
キックされる。ムーン=ウェイ軌道外壁の上に蹴り上げられた。

そのままサムナーは空間に浮かんでいて、背中のブースターを使い、ヘルムの背後へ回る。
指のー突きて、ヘルムの宇宙服とヘルメットの間を破る。
サムナーの指が首の近くにあるエネルギーチューブをつかもうと、人工外皮をめくりあげようとした。

その瞬間だった。太陽が異常なフローラ光線を放った。
サムナーの頭部と背部のキャプスターは、もろにその影響を受ける。
恐るべき超電荷が、「受光基キャプスター」、サムナーの体のエネルギー源に流れる。

(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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author:山田企画事務所, category:SF「ランナー」, 16:42
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遙かなる絆-ランナー第10回
遙かなる絆-ランナー第10回
(1986年作品)地球防衛機構(EDO)シリーズ
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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■遙かなる絆-ランナー第10回
 ムーン=ウェイ軌道の下が振動している。
そこに小さな穴が開き、やがて大きくなって機械の手が現われる。
グガーン。
大きな地響き共に、全身が現われる。
戦闘用ロボットだ。それも外宇宙タイプだ。
「聞き分けのない奴らだ。そなれば、こちらも、力に訴えるさ」
 サムナーが叫んでいた。怒りに、顔はふるえている。

「心配する必要はないよ。ヘルム。僕は対ロボット戦の訓練も受けている」
 そう言うが早いか、マコトはテレポートし、ロボットの背後に回っていた。
彼の脳波は瞬時にこのロボットの内部構造をつかんでいた。
そして、その最も弱い部分を吹き飛ばしていた。ロボットは、EDOテロリストハンター
のサムナーの方にズルート倒れかかる。
 「早く、ヘルム、彼のロケ。トを奪い取るんだ」
 エスパーのマコトが叫ぶ。
二人はムーン=ウェイ軌道から、作業回路へ出て脱出ハッチに向かう。

 後から、サムナーが、叫ぶ。
 「そういうまくいくものか!」
 ロードランナー、ヘルムとマコトは、脱出用ハッチを開け、宇宙服を着て、サムナーの乗ってきた
作業用小型ロケットに辿り着こうとした。

 が、瞬間、ムーン=ウェイ軌道側壁がつき破られ、サムナーが再び、現われる。
二人の前でニヤリと笑う。
 「お二人さんに、ただでロケットを利用させると思うか」
 やにわに作業用小型ロケットは発進する。段々二人の前から遠ざかっていく。
「くそう、サムナ─め」
 瞬間、ヘルムとマコトは、再度、軌道内へテレポートしていた。
軌道上の今いた場所は白熱していた。
サムナーのロケットが、自動的に二人の居た位置にレーザービームを発射したのだ。
 「大丈夫か、マコト」

 マコトの顔は青白い。
 「大丈夫ださ、ヘルムさん。いずれにしても、もうロケットは使えないだろう。
我々は、やはりこのルートを走らねばならない」
 再度のテレポートでマコトは疲労困然し、気を失った。
「マコト、しっかりしろ」
 ヘルムは大声をあげた。
 「サムナー、聞こえているだろう、サムナー、お前がいるのはわかっている! いいか同じサイボーグ
同志という事で、俺のいうことを聞いてくれ。 マコトは唯の子供ではない。
いいか、新しい世界を生むための種子なのだ」

 どこからともなくサムナーの声が響く。

「笑わすなよ、ヘルムめ。 筋肉ロボットめ 同じサイボーグだと。
きさまは単なる鉄と機械のかたまりにすぎん、
ただ早いだけの単細胞ロボットだ。
きさまがサイボーグなものか。それにそのガキが新しい世界を生むための種子だと! 
笑わせるな。何をたわごとをいう。そいつは単なる頭でっかちのガキにすぎん。
それに俺はEDOに属するサイボーグだ。現体制を変えるような、そんな手助けが
できるわけない。そうだろう、ヘルム」
(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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author:山田企画事務所, category:SF「ランナー」, 23:30
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遙かなる絆-ランナー第9回
遙かなる絆-ランナー第9回
(1986年作品)地球防衛機構(EDO)シリーズ
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 EDOテロリストハンター、サムナーは、、地球のEDO本部との連絡をあきらめていた。地球の混乱は極に連しているらしい。デ
ータ通信用光ファイバーもずたずたのようだ。このムーン=ウェイ三十八万キロの中で頼りになるのは自分だけなのだ。
 サムナーはようやく、目標を発見した。
 現在位置と速度を計算し、先回りをして、作業用ロケットを停め、ムーン=ウェイにとりつく。サムナーは外壁をやぶり、作業回路へ入り、二人の到着を待った。

 通路から軌道へ突然、現われた片目のサイボーグは、マコトとヘルム二人に叫ぶ。
 「ここから先は、おまえ達のようなテロリストを通す訳にはいかん」
 「ぽくたちがテロリストだって。間違いも甚だしいよ。それより、あなたは一体だれなんだ。あのシャ
トルに乗っていた人間か。そうではないだろう。爆発の後、あたりには誰もいなかったはずだ。ヘルム
以外には生体反応がなかったはずだからな」
 マコトが答える。
 「笑わせるなよ。テロリストども。おれはEDOきってのテロリストハンター、サムナーだ」
 「君は誤解しているぞ。おれたちがテロリストのはずがないだろう。それよりEDOの人間ならば頼む。我々を助けだしてくれ」
「残念ながら、他人はだませても、おれをごまかすことはできんぞ。え、テロリストども。おまえたちのおかげて、ムーン=ウェイは通行不能になっている。これがテロの仕業でなくてなんだというのだ」
「我々はただあのシャトルトレインに乗りあわせていただけなのだ。犠牲者なんだ」
「そこまで言うのなら、少し驚かしてやろう。いいか、先頃、我々EDOの者が、地球から月に向けての暗号通信を傍受した。その暗号の内容はトーチは放たれた、というものだった。さらに、マニ導師と接触したその子供が月行きのシャトルトレインに乗り込んだ。次にシャトルトレインは爆発した。なぜか、おまえ連二人だけが生き残っている。二人が地下組織、死の天使と考えてもおかしくはないんだ」
「どうすれば、君に我々が一般人だと信じてもらえるのかね。サムナー君」
「その唯一の方法は、俺が乗ってきた作業用ロケットに、二人とも乗り移ってもらうしかない。そして俺の監視のもとで、地球に戻ってもらうことだ」
「もし、それがいやだといえば」
「お宅らは間違ってるぜ。ここまでは、まったく、選択の余地といっものなどありはしない。俺の命令それが絶対なのだ」
 「好きじゃないな、その話し方。そういうのが、一番苦手なんだ。僕、そういったかたい頭の人って好きじゃないよ」
 マコトがぶつくさいう。
 「俺も、人から命令されるのは、ごの子と一緒で嫌いなのだ」
 「おまえ達、何か、勘違いしているんじゃないか。この場面で選択肢が幾つあるとおもっているんだ。いいか、よく聞け。ひとつしかない。俺と一緒に作業用ロケットでこのムーン=ウェイから飛びだすしかないのだ。それがどうしてもいやだというのならば、ここで、死んでもらおう」
 「サムナーくん、残念ながら、君のありがたい提案にそいかねる。私は3日以内に月に行かなければならんのだ。こんどの試合というのは私にとって非常に重大なものなのだ」
「僕も同じだよ。サイコセラフイ研究所ては僕の行くのを首を長くして待っているんだ」
「俺の助けを得ずにどうやって月までいくつもりだね、え、先生がた」
「忘れたのか。俺ヘルムはロードランナー、マッハ4で走れる男だ」
「くう」
 サムナーの喉が変な声をあげた。
(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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author:山田企画事務所, category:SF「ランナー」, 23:28
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